未来を生きる人と過去を生きる人

2019年04月18日 / 最終更新日 : 2019年04月18日

こんにちは、中小企業診断士の山田盛史です。

先日、東京大学入学式での上野千鶴子さんの祝辞が話題になりました。
大学の祝辞が話題になるというのは繰り返されているパターンの1つといえます。

そのなかで先日、平成30年度近畿大学の卒業式でのキングコング西野亮廣さんのスピーチの動画を見ました。

Youtube公開前から話題になっていたようで、Youtubeでの公開から2日で9万視聴を超えています。




「人生に失敗など存在しない」心に響くメッセージ

冒頭に学生たちの注目を集め、会場を沸かせ、その上で笑いを交えつつスピーチは展開されていきます。
途中、相方の梶原さんの話が出たり、ノンスタイルの石田さんの話が出た時は、脈絡のない話題に飛んだような印象を受けましたが、最後のメッセージのあたりでそれらは結論を具体化するための伏線だったんだと分かりました。

本人はノープランであると言われていますが、すべての文脈には意味があるし、その構成や順番もとても明快で、事前に準備されていたのだと思います。

西野さんは事業家的な思考をされていてセルフブランディングが上手い方であると思います。
市場(周り)が何を考えていて、その中で自分は何を求められているのか。
それを常に意識して行動や発言をされているのだと思います。まさに、マーケットインの思考ですね。

絵本作家でありこのスピーチ自体も一つの作品のような印象を受けました。


ものごとの捉え方は未来思考と過去思考の2パターンある

このスピーチでは「人生に失敗など存在しない」という考え方ができてます。
ものごとの捉え方は未来を考慮した上で捉える「未来思考」と過去の出来事として捉える「過去思考」の2パターンに分類できると思います。

例えば、ある新サービスを企画開発して、それを販売する場面を考えてみます。
事前の計画では「この顧客に、この商品を、こうやって売ればおそらく売れるだろう」と類推して自信を持ってターゲット顧客に営業を掛けて商品の説明をします。しかし、ターゲット顧客からのウケが悪く、なかなか売れなかったという事実があるとします。

この事実を「過去思考」で捉えると、

「色々と市場調査をしたり調べたりしたのに、なぜ売れないんだろうか」

「この新サービスは市場にニーズがないから、あきらめよう」

といった思考になります。
つまり、過去にやったきたことに重きを置いて判断するという思考です。

一方、「未来思考」で捉えると、

「今回のターゲット顧客にはニーズがなかったけれど、もしかして他の顧客にはニーズがあるかもしれない」

「他の顧客層についてニーズがないか確認してみよう」

 

「今回のターゲット顧客から、◯◯の機能は必要ないと言われた」

「◯◯の機能は、当社はこだわっていたけれど顧客ニーズがないので機能を無くしてもっと安く提供しよう」

 

「今は今回のターゲット顧客はサービスを必要としていないかもしれない。しかし今後、世の中が◯◯のように変わっていくかもしれない」

「そうするとこのサービスは、今後、◯◯という顧客層が必要とするかもしれない」

といった思考になるのではないでしょうか。

つまり、事実から未来を考える、または未来を想定して事実をどのように生かせるかを考えるという思考です。

未来思考で考えるとトライして上手く行かなかったとしても可能性を潰すことには成功するし、トライした経験から新たな視座が生まれるということはよくあります。

変化の激しい時代だからこそ、未来思考を持ちトライ&エラーを繰り返したいものです。


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