経営者が知っておきたいモチベーション理論「経営はロマンとそろばんとジョーダンが必要」

2019年05月08日 / 最終更新日 : 2019年04月18日

こんにちは、中小企業診断士の山田盛史です。
今回は前回に引き続きモチベーションについて、経営者が知っておきたいモチベーション理論や哲学を考察とともにご紹介します。


経営者が知っておきたいモチベーション理論

■悲観的な志向「必ず失敗するという発想から思考する」

実験内容:
ジュリー・K・レノムは、いつも最悪な結果を想定するネガティブ思考の人たちを対象にダーツを投げてもらうという次のような実験をしました。被験者に次のように振る舞ってもらいダーツを投げてもらいます。

パターン1:
投げる前にリラックスできるような音楽を聞いてもらう

パターン2:
投げる前に、ダーツの矢が真ん中にあたる様子を思う浮かべてもらう

パターン3:
投げる前にダーツの矢がとんでもない方向に飛んでいってしまう様子を思う浮かべてもらう

結果、ネガティブ思考の人たちはパターン3がもっともダーツの成績が良かったのです。

この実験が物語っていることは、人は最悪の事態を想定したときの不安やリスクをモチベーションに転換できるということなのだと思います。
この実験はネガティブ思考の人を対象にしているのでポジティブ思考の人には当てはまらないかもしれませんが日本人はネガティブ思考の人が多いと言われるため多くの人が当てはまるのではないかと思います。

新しく何かをはじめることには不安はつきもので、当然リスクを伴います。
特に事業や会社経営は、その最たるものではないかと思います。

しかし、事前に最悪な事態を想定しておいて、その損失を見積もっておくことでその意思決定をすべきかどうかという冷静な判断ができるものだと思います。

また、事前に想定されるリスクを洗い出しておいて、そのリスクに対する予防策を事前に用意することでリスクは軽減され、心理的にも不安感は軽減されます。その過程で自信を得たりモチベートされていくものだと思います。


会社経営にはロマンとそろばんとジョーダンが必要である

私の好きな言葉の一つに「ロマンとそろばんとジョーダン」という言葉があります。
これはリクルートで創業期から20年間で14の新規事業を立ち上げた、くらたまなぶさんの著書のなかで語られている言葉です。

本書では起業の絶対3条件として「右手にロマン、左手にソロバン、心にジョーダン」と言っています。
まさに本質を端的に表した言葉ではないかと思っています。



まず経営にはロマンが必要です。ロマンとは経営者の夢や想いのことで経営的なフレーズでいうと企業理念です。
特に中小企業では経営者の夢や想いを強く持ち発信していくことが必要であると私は考えています。
中小企業は大企業とは違い資金等を中心とした経営資源を豊富に持ってはいません。
だからこそ、夢や想いを伝えていくことで協力してくれる仲間を増やしていく必要があります。
その意味において夢や想いを持ち続けることが重要だと思います。

その一方で、そろばんも持っていなければ事業を守りつづけていくことはできません。
そろばんとは財務的な知識のことです。収支の把握や足元の資金繰りを把握しながら会社の舵取りをしなければ早々に破綻するでしょう。

これらは車の両輪で、どちらが欠けても継続経営はできないと思います。
最後にジョーダンですが、これは事業を楽しむ余裕、つまり余白が必要であると私は理解しています。

経営者は目の前の業務のことばかりに時間を取られるのではなく、余白を持ちながら日々様々なことを考えて行動していく必要があると思います。

そのような余白の中から新しい発想やアイデア、長期的で冷静な視座を持てるのだと思います。

私自身もこの言葉の通り、「右手にロマン、左手にソロバン、心にジョーダン」を持ち事業に邁進していきたい思います。


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