人生100年時代におけるビジネスパーソンのマインドセット
2019年05月28日 / 最終更新日 : 2019年05月28日こんにちは、中小企業診断士の山田盛史です。
最近「10年後、AIに取られる仕事ランキング」という記事を見ました。
この手の記事は久しぶりだなと思いつつ、今後AI時代におけるビジネスパーソンのマインドセットを考えていきたいと思います。
AIの普及という事象に対してネガティブな感情を抱くもの
AIの普及という事実に対して、ポジティブな記事よりネガティブな記事が多いです。
物事は表裏一体でありネガティブな側面もあればポジティブな側面もあります。
ネガティブに語られる主な内容としては「仕事が奪われる」的な内容のものが多いと思います。
そしてAIに代替されやすい仕事ランキングというものが様々な調査によって公表されていますね。
こちらはコンサル181人が予想する、今後AIに代替される職種というものです。
AIに代替されると予想される職種として、「経理・財務・会計系」、「秘書・一般事務系」等が上位に来ています。数値化しやすかったり、仕事のパターンが決まっているような職種は代替されやすいという事なのでしょう。
その意味においては専門性が高いとされる士業も例外ではありません。
弁護士や弁理士、会計士や税理士も比較的上位に入っています。仕事のパターンがある程度決まっていて誰がやってもアウトプットの質が同じような仕事は、人がやる意義があまりありません。
あとはコストの問題で、人が作業をするよりAIを導入した方がコストが安かればAIにするし、人がやった方が安かれば人がやるという話なのだと思います。
今はAIの方がコストが高いから人がやっているという面があるかもしれませんが今後、普及とともにコスト安となり一気にAIに代替されるという事が起こるかもしれませんね。
一方で、その場の状況に応じた判断を求められる職種は代替が難しいとされています。
CTOやCIOがランクインしていますがいわゆるCXOの経営人材などがそれに該当すると思います。
要するに、明確な答えのない仕事や判断によって仕事のアウトプットの質が大きく変わる仕事は代替されにくいのではないかと思います。
前述の会計士や税理士も記帳代行的なサービスは代替されますが、財務や財務のコンサルティングやCFO的な経営支援などの仕事は代替されにくいと思います。
職種という区分けで一概に「代替される/されない」を論じるのはあまり意味がないと思います。
職種や職業とは手段なので、自分がどのようなことをしてビジネスをしているかという内容が重要ですね。
AIの普及によるポジティブな側面
次にAI普及におけるポジティブな側面にスポットを当ててみたいと思います。
ポジティブな側面は労働力不足の解消に寄与するという事があげられると思います。
労働力不足は2025年には583万人に達するとも言われ深刻な社会問題となっています。
労働力不足を解消するために、国は女性やシニアの活躍推進を促していますが、潜在的な労働需要の掘り起こしは、労働人口そのものが縮小していく中では効果は限定的だと思います。
そこで労働生産性の向上を図ろうという事が重要視されています。
労働生産性の向上にはITを上手く活用していく他ないと思います。AIの普及は「仕事を奪われる」というネガティブな捉え方もできますが、「労働力を補ってくれるもの」というポジティブな捉え方もできます。
いずれにせよ、AIを好意的に受け止めて、いかに上手く人と共存するかという視点を持ちたいものです。
経営者と従業員という立場の違いから来るもの
AIをポジティブに捉えるか、ネガティブに捉えるか。それは経営者と従業員という立場の違いから来るものかもしれないなと思います。
経営者は環境変化に合わせて事業を考えていくものなので、AIが普及するという1つの環境変化に対して、自分や自社を合わせていくだけです。その意味においては、これまでやってきたこととあまり変わりません。
ただ少し違うのは、これまで起こってきた環境変化と比べて、劇的な変化になるのではないかという事かもしれません。
これまで以上にAIの普及によってもたらされるものが何なのか(良い側面もあれば悪い側面もあるでしょう)、自社の業界はどのように変化していくのか、等をより一層意識して経営判断をしなければならないという事です。
逆に従業員という視点では、自分のやっている仕事は会社の1つのパートを担っているという方が多いと思います。自分で仕事を創り出すというよりは、既存のエコシステムの中で1つの役割を任され、それをこなしているという方が多いと思います。(もちろんそうではない方もいると思いますが一般論です)
良い悪いは別にしてAIの普及により今の働き方や日常生活の中に、より一層AIが入り込んでくるため「AIが仕事の一部を担う=自分の仕事がなくなる」ということを意識せざるを得ないのだと思います。
ビジネスパーソンのマインドセット
いずれにせよ、AIと上手く付き合っていかなればならない中で、どのようなことを心掛けるべきなのかということを考えてみると日々思考して自分の意見を持つという事なのかもしれません。
答えがある仕事はAIにまかせて、人間はクリエイティブなものや感覚的なもの、つまり答えがない仕事や定性的な仕事をやるという形になる。それならば、自分の意見を持つということを日常的にやっていくということが大切なのかもしれません。
人生100年時代、生き方は多様化していくし人生のロールモデルはありません。答えは誰かが教えてくれるものではなく、自分が決めるものなので、日々情報収集をして、思考して、自分の意見を持つことが大切なことかもしれません。
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