事業継続力強化計画を申請しました
2019年09月30日 / 最終更新日 : 2019年09月17日こんにちは、中小企業診断士の山田盛史です。
皆さんは「事業継続力強化計画」という認定制度をご存知でしょうか。
この度、当社は事業継続力強化計画を作成して申請しましたので、今回は事業継続力強化計画についてご紹介します。
事業継続力強化計画とは何か?
近年、大規模な自然災害が頻発しています。こうした自然災害は、個々の事業者の経営だけでなく、サプライチェーン全体にも大きな影響を及ぼすおそれがあります。
このような背景を踏まえて中小企業庁は、中小企業の自然対策に対する事前対策(防災・減災対策)を促進するため「事業継続力強化計画」の認定制度を新設しました。
事業継続力強化計画とは自然対策に対する事前対策に関する計画です。
計画には以下のような項目を記載します。
・ハザードマップ等を活用した自然災害リスクの確認方法
・安否確認や避難の実施方法など、発災時の初動対応の手順
・人員確保、建物・設備の保護、資金繰り対策、情報保護に向けた具体的な事前対策
・訓練の実施や計画の見直しなど、事業継続力強化の実行性を確保するための取組 等
事業継続力強化計画を申請するとどんな良いことがあるのか?
事業継続力強化計画の認定を受けると以下のような支援策を受けることができます。
①低利融資、信用保証枠の拡大等の金融支援
②防災・減災設備に対する税制措置
③補助金の優先採択
④連携をいただける企業や地方自治体等からの支援措置
③については平成30年度補正ものづくり補助金の2次公募で事業継続力強化計画の認定を受けていると審査において加点される事となりました。
来年度のものづくり補助金でも加点項目の1つになると思います。
事業継続力強化計画を作成してみた感想
事業継続力強化計画を作成してみた感想は以下の通りです。
①収支計画は作成しない
事業継続力強化計画とは災害時の影響とそれに対する事前対策を検討して計画を記載するため収支計画は一切登場しません。
これは当たり前といえば当たり前なのですが、これまで中小企業支援施策のほとんどは事業計画を作成して、計画上の取り組みを行うことで売上拡大や収益向上、生産性向上などを実現するというものが多く、事業面での取り組みと収支計画の作成はセットでした。
事業継続力強化計画は災害時の事業継続を目的としたものなので、これまでの支援制度とは少し毛色が違うという印象です。
②計画策定の手引が充実している
事業継続力強化計画といったいわゆるBCP計画というのは、普段なかなか作成する機会はなく計画作成の経験を有する中小企業事業者というのはほとんどないと思います。
当社でもBCP計画を作成した経験はなかったので、どのような内容を記載すべきか迷うところもありましたが、そこは計画策定の手引を参考にしながら計画作成が無理なくできるようになっていました。
計画策定の手引には計画の概要から始まり、計画策定の手順や考え方が細かく記載されています。
特に各項目の考え方や記入例、具体的対策事例が充実しているので事業継続を考える際には、このような切り口や観点で考えるべきなのかという視点が身につきました。
災害対策は普段、事業で忙しくしている事業者様に取っては作成する機会がなかなか無いのが実情だと思いますが、近年自然災害が増加しており今後も発生するこが予想されます。
この機会に一度事業継続力強化計画を作成してみてはいかがでしょうか。
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