借入後5年間返済しなくても良い資本性ローンとは
2019年10月10日 / 最終更新日 : 2019年09月18日こんにちは、中小企業診断士の山田盛史です。
最近、スタートアップ・ベンチャー企業様のご支援をする機会も増えてきました。
スタートアップ・ベンチャー企業の成長の鍵を握るポイントの1つは資金調達です。
今回はスタートアップ・ベンチャー企業に効果的な日本政策金融公庫の資本性ローン(挑戦支援資本強化特例制度)をご紹介します。
資本性ローンとは
資本性ローンとは、その名の通り自己資本に近い融資制度であり主な特徴は以下の3点です。
1)無担保・無保証で受けられる融資である
2)期日一括返済である
3)金融検査上は自己資本とみなされる
それぞれの詳細は次の通りです。
1)無担保・無保証で受けられる融資である
資本性ローンは無保証・無保証で融資を受けることができます。
日本政策金融公庫では資本性ローンの他に、中小企業経営力強化資金という融資制度も無保証・無保証で融資を受けることができます。
2)期日一括返済である
資本性ローンの返済は「最短5年1ヶ月からの期日一括返済」となっています。
つまり借りてから最低5年間は返済しなくてもよく5年後に一括で返済するということです。
返済までの期間は利息の支払は発生しますが元金の返済がないため月々の資金繰り負担を軽くすることができます。
そして金利については直近決算の業績に応じた、1年ごとの金利が適用されます。
3)金融検査上は自己資本とみなされる
金融機関は融資先企業を、財務状況や事業性を考慮して格付けしています。
その格付けの審査において、資本性ローンは自己資本とみなして融資先を評価します。
例えば自己資本比率という指標について、本来借入を行うと負債が増えることによって自己資本比率は低下するのですが資本性ローンは自己資本とみなされるので、自己資本比率は逆に向上します。つまり経営が安定しているという判断を得やすくなるので融資が受けやすくなるなど有利に働きます。
資本性ローンは前述の通り期日一括返済であること、また他の債務と比較して劣後する(他の負債より返済順位が劣る)ため、実態としては自己資本の性質が強いため負債ではなく自己資本とみなされます。
経営者の方とお話していると資本性ローンはバランスシート上も自己資本に計上されると思っている方が多いのですが、会計処理上は借入金として負債に計上されます。
自己資本とみなすというのはあくまで金融検査上の評価の話です。
資本性ローンは他の負債に劣後するものの、返済は必要である債務であるため負債として計上されます。
資本性ローンを申し込むには
資本性ローンを申し込むには要件があります。主なものは以下の2つです。
①地域経済の活性化にかかる事業を行うこと。
②税務申告を1期以上行っている場合、原則として所得税等を完納していること。
①の要件は経営革新計画の認定を受けていればこの要件を満たすことができます。
経営革新計画の認定を受けていると資本性ローン以外にも新事業活動促進資金という融資に申込みをすることができます。
さらに、東京都の場合には制度融資の金利が安くなる(金利優遇)等のメリットも活用できるようになり資金調達はより有利になります。
当社では経営革新計画の認定から融資支援までワンストップで支援
資本性ローンは他の融資と比較してもハードルが高いものですが、上手く活用できれば資金繰りに大きく寄与します。
当社は経営革新等支援機関に認定されており経営革新計画の認定から資本性ローン、中小企業経営力強化資金、制度融資の金利優遇の活用まですべてワンストップで支援可能です。
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ウィルリンクス中小企業診断士事務所(経済産業省認定 経営革新等支援機関)