書評「FACT FULNESS」
2019年11月14日 / 最終更新日 : 2019年10月10日こんにちは、中小企業診断士の山田盛史です。
今回はニュース23やワールドビジネスサテライトでも取り上げられ累計販売数40万部を突破した書籍、『FACTFULNESS』(ファクトフルネス)を紹介しようと思います。
人間に備わっているさまざまな“思い込み”について
『10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣』というサブタイトルにあるように、この本は“人間の思い込み”について書かれている本です。
「これは正しい」と信じていることが、実は間違っているということがたくさんあるのです。
著者のハンス・ロスリングは世界的な教育者として活躍し、国境なき医師団を立ち上げたほか、世界保健機関やユニセフでのアドバイザーも務めていました。彼は世界各地をまわりながら、さまざまなデータを調べ上げます。
その中からハンスは、人間には世界の真実をねじ曲げてしまう“10の本能”があることを発見しました。残念ながらこの本を書いている途中でハンスはこの世を去りますが、息子のオーラとその妻のアンナが、ハンスの想いを形にしたのです。
地球は良くなっている?それとも悪くなっている?
いきなりの質問ですが、皆さんが住んでいるこの地球という世界は良くなっていっていると思いますか?それとも悪くなっていっていると思いますか?
もしかしたら世界はどんどん悪くなっていっているという人の方が多いかもしれません。テレビをつけると悲しいニュースが報道されていたり、新聞ではショッキングな事実が一面を飾っていたりするので、そう思ってしまうのも無理はありません。
しかし著者のハンスは断言しています。「時を重ねるごとに少しずつ、世界はよくなっている」と。
平和で穏やかな事実よりも、ネガティブでドラマチックなニュースの方に注意が向く。私たちの脳みそはそのようにできているのです。
このネガティブなものに反応する“ドラマチックな本能”を抑えるためにも、私たちはデータをもとに、冷静に客観的に世界を見つめる必要があります。
Fact(事実)をありのままに見つめるために必要なものとは
私たち人間には、世界の真実をねじ曲げてしまう10の本能があるとハンスは言います。世界はどんどん悪くなっているという思い込み、すべてはあらかじめ決まっていて、それを変えることはできないという思い込み、誰かを責めれば物事は解決するという思い込み。
こういったさまざまな思い込みが、じつは間違っているということを、ハンスはデータを提示して証明してくれます。
今日もテレビをつければ悲しいニュースが報道されています。「なんてこった!最悪だ!」と嘆くのではなく、「それって本当?」と疑ってみましょう。「この事実を裏づけるデータはどこにあるのだろうか?
そのデータから導き出される本当の姿はどういったものなのか。」と自分の頭で考えることが何よりも大切なのです。
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