管理会計とは~注意点とメリット・デメリット
2020年05月16日 / 最終更新日 : 2020年05月16日管理会計とは、社内で使われる会計のことをいいます。管理会計は企業会計の1つです。企業会計といえば多くの方は財務会計を思い浮かべるでしょう。
財務会計とはすべての企業が義務付けられている会計の方式のことをいいます。
財務会計は公表することが義務付けられていますが管理会計は作成することも公表することも義務付けられていません。
ではなぜ管理会計というものが存在するのでしょうか?
今回は管理会計について詳しく説明します。
管理会計とは
財務会計は、株主や金融機関などのステークホルダーに自社の経営状況について知ってもらうために存在する会計です。
財務会計の代表的な書類は貸借対照表や損益計算書・キャッシュフロー計算書等になります。
一方、管理会計とは社内の売上やコスト管理のために使われる会計手法のことをいいます。
社内のためにある会計手法なので決まったフォーマットやこうしなければいけないという決まりはありません。
管理会計の代表的な書類は、社内の事業部別損益管理資料や事業計画書、中期経営計画資料、取締役会資料といったものになります。
財務会計は法律で作成公表が決められているものなのでわかりやすいですがなぜ管理会計は存在するのでしょうか?次の章では管理会計のメリットデメリットについて説明します。
管理会計のメリット
管理会計の主なメリットは2つです。
- 社内の目標や課題が明確になる
- 会社全体の連帯感が高まる
それぞれのメリットについてわかりやすく説明します。
社内の目標や課題が明確になる
管理会計を導入することによって社内の目標や課題が明確になります。事業計画書や中期経営計画等を作成することにより今後会社がどのような方向に進んでいくべきかなどの目標を明確にすることができます。
また会社全体での課題が見えやすくもなります。各部門が目標を達成したとしても重複した非効率事務などがあることがあります。管理会計を導入し会社全体でコスト管理をすることによってこのような非効率事務を「見える化」することもできます。
会社全体の連帯感が高まる
中期経営計画など比較的長期間の目標を定めることによって会社全体の連帯感を高めることができます。この中期経営計画をもとに各部門を超えてディスカッションなどを実施することもできます。日頃部門ごとの付き合いがない場合中期経営計画等がフックになって部門ごとの連帯感を高めることにつながるのです。
管理会計のデメリット
管理会計には様々なメリットがありますが当然ながらデメリットもあります。管理会計の主なデメリットは、現場の負担が管理会計を導入する前よりも増えることです。
管理会計を導入することによって必要な書類も増えますしチェックすべきポイントも多くなります。
管理会計は会社全体の目標やコスト管理を明確に行えるメリットもありますが現場の負担が大きくなり現場から不満が出てしまうデメリットもあります。
管理会計を導入する際は現場としっかり話し合いをし、現場に無理強いをしないことが何よりも大切になります。
管理会計を導入するメリットだけにとらわれないようにすることが経営者には求められるのです。
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