経営者が知っておきたいモチベーション理論「目標は2ヶ月ごとに設定すべき」
2019年04月14日 / 最終更新日 : 2019年04月14日こんにちは、中小企業診断士の山田盛史です。
今回はモチベーションについて、経営者が知っておきたいモチベーション理論を実ビジネスの利用例や考察とともにご紹介します。
モチベーションとは人を人たらしめるもの
近年、AIやRPAなど、機械化によって従来の人以外の労働力が増えてきました。
これは、単に業務効率化という既存の業務の延長線上の話ではなく、労働自体を機械やロボットが担うということがますます進んでいるという事です。
また、機械を自分の手足として使うという行為自体もますます進んでいます。
例えば、介護の現場で使われるパワーアシストを行う装着型の機器の利用などがその代表例でしょう。
つまり、機械やロボットは人に近づき、人は機械やロボットに近づいているということです。
今後、人と機械やロボットとの境界線はますます薄れていくものと思われます。
その中で人と機械やロボットとの一番の違いは何かということを考えてみると、それは感情の有無ではないかなと思います。
これは良い悪いは別として、人は感情がありモチベーションというものによってパフォーマンスが変わっていきます。
逆に機械やロボットは感情はありません。また体力もないので疲れることもなく24時間一定のパフォーマンスで動き続けることができます。
人がモチベーションや感情を持っているということの良さはモチベーションは伝染するということではないかと思います。
モチベーションが高い状態では高いパフォーマンスが出せるし、モチベーションとは伝染していくものなので、チームや会社の士気全体が高まります。
また多様な考え方や感情を持っているからこそ多様な価値観が交差するなかでシナジー効果が得られます。
機械やロボットは1+1=2ですが、組織やチームとは1+1の解が1にも3にもなります。
これを左右するのがモチベーションだと思います。
モチベーションは数値化が難しく目に見えない不確実なものであるがゆえに研究者たちが実験によって解き明かした心理・行動パターンを理論化したものがモチベーション理論です。
モチベーション理論を理解することで人が何によってモチベートされるかを知ることができます。
モチベーション理論にはチームや組織のマネジメントをする上でのヒントがあります。
経営者が知っておきたいモチベーション理論
①目標勾配効果
実験内容:
心理学者のクラーク・ハルは、出口にエサを置かれた迷路にネズミを入れ、ネズミがどのような行動を取るかの実験をしました。
するとネズミは出口に近づくにつれて足が速くなったそうです。
つまり、ゴールに近づく程、モチベーションが上がるということです。
ビジネスでの利用例:
実ビジネスの利用例としてはスタンプカードを作る時に活用できます。
スタンプを10個集めたら、割引になるという特典を付与したスタンプカードを作るとしましょう。
この場合、単純に10個のスタンプを集めるというカードではなく12個のスタンプを集めれば割引になるというカードを作り、最初から
2個スタンプを押したカードを作ります。
同じく10個スタンプを集めなければ割引にならないという状況ですが、最初から2個押してあることでゴールに近づいているという感覚が得られるので後者の方がスタンプカードの利用率は高まります。
また、マネジメントにおいても大きな目標だけを掲げるのではなく大きな目標を達成するための目先の小さな目標を立てて管理をすることです。
そうすることでゴールが間近に感じられモチベーションが高まります。
さらにフィードバックすることで進捗の見える化をすることで達成度もあがります。
②2ヶ月後の報酬の設定
実験内容:
ブレダ応用科学大学の実験では、被験者に今の幸福度について点数をつけてもらいました。
被験者が旅行を計画すると幸福度は高まり、その効果は平均して8週間持続しました。
その後、旅行が終わると幸福度はもとの普通の状態も戻りました。
つまり、ごほうびや楽しみがあるとモチベーションは高まります。
しかし、ごほうびが実現したあとはモチベーションがもとに戻るということです。
ビジネスでの利用例:
平均して8週間、幸福度の向上が見られているため2ヶ月ごとに自分へのごほうびを設定していくことで短期的なモチベーションがあげられます。
目標勾配効果にも通じるところですが、ごほうびというゴールがあまりに先になるとモチベーションが上がりにくいため今から2ヶ月後のごほうびというのは近すぎず遠すぎないちょうど良い感覚であると思います。
今回は以上です。
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