経営革新計画の書き方のポイント
2019年07月05日 / 最終更新日 : 2019年07月14日こんにちは、中小企業診断士の山田盛史です。
先日、経営革新計画の申請支援をさせて頂いたのですが無事に承認されたとの連絡をお客様より頂きました。
今回は経営革新計画の申請書の書き方のポイントを記載します。
そもそも経営革新計画の審査のポイントとは
経営革新計画は毎月審査会という会議体にて審査が行われ承認・不承認の審査が行われます。
ではどのような観点が審査が行われるのでしょうか。
それは新規性と実現性という2つの観点があります。
新規性とはどういうこと
新規性とは、端的に言うと「新しい取り組み」という事です。
つまり経営革新計画で書かれている事業計画が「新しい取り組み」であるかどうかという点がポイントになります。
この「新しい取り組み」というのは2つの側面があり、1つ目は「既存事業と比べて」新しい取り組みであるかどうかという点です。
そもそも経営革新計画の類型は
①新商品の開発又は生産
②新役務の開発又は提供
③商品の新たな生産又は販売の方式の導入
④役務の新しい提供の方式の導入その他の新たな事業活動
の4つがあり、いずれも既存事業とまったく同じことではなく何らかの「新しい取り組み」が対象となります。
この要件に合うかどうかがまずは審査において重要な点となります。
申請書には既存事業との違いを明確に書きましょう。
次に2つ目の側面は、「競合他社と比べて」新しい取り組みであるかどうかという点です。
例えば、自社にとっては新しい取り組みでも、業界内のほとんどの企業が当たり前にやっている内容であれば新規性があるとは言いにくいです。
かと言って、業界内のどの企業もやったことがない日本初や世界初の取り組みでなければいけない、という事でもありません。
競合他社も同じようなことをやっているけれど、当社の取り組みは他社とここが違うということが言えると新規性があるという事が言えるので、他社との差別化や違いを明確に申請書に記載しましょう。
実現性とはどういうことか
次は実現性です。実現性とは本当に実現できるかどうかの度合いです。
実現性が高い計画とは、いつ・どこで・何を・どのように取り組むかということが明確になっているものです。そして人・モノ・金等の経営資源の目処が立っているか。ということも重要な点です。
これらの内容を意識して申請書を作りましょう。
経営革新計画のフォーマット自体がスケジュールや収支計画、売上の根拠を記載するようになっているので基本的にはフォーマットに沿って申請書作成を進めていけば良いと思います。
ただ、人や金の目処や内容についてはフォーマットの項目に載っていないので、こちらで意識して書く必要があります。
人の面では事業を遂行する体制図を記入したり、体制メンバーの簡単なプロフィールを表形式にしてまとめることも有効です。
金の面では、事業の遂行にあたり設備資金では◯円必要で運転資金は◯円必要であり、この資金は◯◯の方法で調達を計画している。とった具合に資金調達の計画を記載すると実現可能性を高めることができます。
その他のポイント
最後に、内容ではなく形式的な申請書の書き方のポイントを説明します。
それは項目を分けて書く(大項目や中項目、小項目)ということと図や表を入れるということです。
これらは読み手に分かりやすく内容を伝えるために重要なことです。
審査会では1件の申請内容について、じっくり時間を掛けて読み込んで審査をするということはなく1件あたりの審査にかける時間はそれほど多くはありません。
つまり短時間で新規性が書かれているところはどこか。他社と何が違うのか。といったことを分かりやすく伝える内容になっていなければいけません。
分かりやすく簡潔に表現するために図を入れたり、文字で書いたことを最後に表形式にしてまとめるということをするのが効果的です。
以上、経営革新計画の申請書の書き方におけるポイントでした。
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