今後行うべき市場戦略が見えてくる「アンゾフの成長マトリックス」

2021年11月30日 / 最終更新日 : 2021年11月01日

 

企業が市場を拡大しようとする際には、現在置かれている状況や今後の業界の動向などを見据えた上で市場戦略を練っていくでしょう。今回ご紹介させていただく『アンゾフの成長マトリックス』は、市場戦略策定に役立つ手法となっています。


 

アンゾフの成長マトリックスとは?

アンゾフの成長マトリックスとは、『経営戦略の父』と呼ばれるイゴール・アンゾフ氏により提唱されたフレームワークのことです。『市場』と『製品』そして『新規』と『既存』という4要素を掛け合わせた表の中に、自社の現状や今後のマーケット展開を当てはめていくことによって市場戦略の策定に役立てることができます。

まずは以下の表をご覧ください。

この表を見ながら『市場』と『商品』がそれぞれ新規あるいは既存であるかに応じて、現在もしくは今後取るべき戦略を考えていきます。

 

  • 新規市場x新規商品=『多角化』

新商品を新しい市場に流通させる場合には、多角化を狙った『市場開拓戦略』を取ることが必要です。4つの中で最も難易度が高く、成功する保証はないためリスクも伴いますが成功すれば企業を大きく発展に導くことができるでしょう。

具体例:社内における新規部門の立ち上げ、新たな会社設立、他社との吸収合併

 

  • 新規市場x既存商品=『市場開拓』

既存商品を新規市場に売り込む際には、新たな市場開拓を行う必要があります。既存市場に競合が多く参入の見込みがない場合、新たな市場開拓を行う方が利益を得られることがあるからです。参入市場を見誤ると損失が発生する恐れがあるため、市場開拓は慎重に行わなければなりません。

具体例:海外展開、既存と異なる顧客層へのアプローチ

 

  • 既存市場x新規商品=『新商品開発』

既存市場において新規商品を流通させるには、新商品を開発することが求められます。既存市場の情報を収集・分析し、希少性の高いものを売り出していかなければなりません。既存商品に付加価値をつけ販売することも新商品開発に当てはまります。

具体例:新商品開発、既存商品の改良や関連商品の販売

 

  • 既存市場x既存商品=『市場浸透』

既存の市場に既存の商品を流通させる場合には、『市場浸透』戦略を行います。既存市場における顧客の動向を分析し、リピーターを増やすことや購買意欲を高め販売量を増やす必要があります。

具体例:既存商品やサービスの質の向上、キャンペーン実施



まとめ

自社の市場展開において、現在置かれている状況や今後伸ばしていきたい分野をアンゾフの成長マトリックスに当てはめて考えてみると、現在あるいは今後取るべき戦略が自ずと見えてきます。

成功している企業の多くはこのマトリックスに当てはまる戦略を取っているため、そのノウハウを分析し自社の経営方針や戦略策定に関するヒントを得られることもあるでしょう。

難易度の高いものほどリスク管理を行った上で、慎重に進めていく必要があります。既存の戦略で伸び悩みを感じている場合や、取るべき戦略が分からないといった場合には是非アンゾフの成長マトリックスを取り入れてみてください。

最後まで読んで頂きありがとうございました。
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