バランス・スコアカードとは?4つの視点や導入手順など基本的な知識を解説
2023年12月05日 / 最終更新日 : 2023年11月02日バランス・スコアカードは企業の安定的な経営に役立つフレームワークです。経営目標や経営戦略の評価が明確になり、効果的に経営を進められるメリットがあります。しかし、実際に取り組むには基本的な知識を理解しておかなければいけません。本記事では、基礎知識として、バランス・スコアカードを構成する4つの視点や導入手順について解説しています。企業経営の参考になりますので、ぜひ最後までご覧ください。
バランス・スコアカードとは
バランス・スコアカード(BSC)とは、経営管理手法の1種です。将来のビジョンと戦略を中心に、「財務」「顧客」「内部プロセス」「学習と成長」で構成される4つの視点で目標設定や評価を行います。4つの視点はバランス良く経営しなければいけません。いずれかに偏ってしまうと、経営にも偏りがでてしまうからです。たとえば、「顧客」に注力すると、顧客満足度の高い商品が作り出せますが多額の資金が必要となります。結果として企業継続の危機にもなりかねません。長期安定的に経営するためにも重要な役割を果たすのがバランス・スコアカードです。
財務
財務の視点とは、企業の経済活動を指します。分かりやすい例が売上や利益に対する活動です。売り上げを伸ばすために、どの様な目標が必要で、どれぐらい達成できているのかなどを考えます。また、資金調達の成功には投資家に対してどのような行動をすべきかなど、自社に関係するステークホルダーへの活動も含まれます。
顧客
顧客の視点は、自社の商品やサービスを利用する人に対する活動です。より良い商品を作るためにはどんな需要に応えるべきか、既存商品にはどんな改善が必要かなどを検討します。顧客満足度やリピート率などに対して目標設定と評価をおこなう方法が一般的です。
内部プロセス
内部プロセスとは、社内の業務工程を意味します。生産にかかっている時間や不良品の発生率などが対象です。生産性を高めるために何が必要か、リスクの低減にはどんな仕組みが必要かなどを検討します。
学習と成長
学習と成長とは、人材育成に関する視点です。経営戦略の実行やビジョンの達成には優秀な人材が欠かせません。そのため、従業員のスキルやモチベーションを高めるための取り組みが必要です。従業員の定着率や資格の取得率などに注目し、人材育成や組織力向上を目指します。
バランス・スコアカードの導入手順
バランス・スコアカードを実施するためには、導入手順も理解しなければいけません。手順が不明だと、どのような行動をとれば良いのか分からなくなるからです。具体的には次の5つの手順で導入を進めます。
手順 | 項目 | 内容 |
1 | ビジョンと経営戦略の策定 | 企業や事業のビジョンを見直して戦略が適切かを検討します |
2 | 目標設定と戦略の可視化 | ビジョンを実現するための目標を各視点で設定し、戦略マップを活用して全体像を可視化します |
3 | 重要成功要因の設定 | 目標達成に必要な要素を洗いだし、需要な要因が何かを検討して設定します |
4 | 評価基準の設定 | 目標がどれぐらい達成できたかを確認するためにKGIやKPIを設定します |
5 | 実施計画の策定 | 組織としてだけでなく、個人としての行動計画を作成します |
各手順では実現可能な計画や目標の設定が必要です。実現困難な目標では、負担が過大になったり、計画が維持できなくなったりと、逆効果になってしまう可能性もあります。自社に適したバランス・スコアカードを実施して、適切な運用を心がけましょう。
まとめ
バランス・スコアカードは、4つの視点に注目した経営に必要な管理手法です。各視点をバランスよくコントロールすることで長期安定的な経営が期待できます。5つの手順を適切に運用できれば、従業員の負担を軽減して業績アップも望めるでしょう。本記事を参考に、バランス・スコアカードに取り組んでみてください。
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