CAPEXとOPEXの違いとは?両者の相違点やOPEX化が進む理由について解説

2024年11月30日 / 最終更新日 : 2024年10月01日

CAPEXとOPEXは企業の支出状況を表す指標です。どちらも支出を表す指標ですが、内容は大きく異なります。しかし、両者の違いを正しく認識できていない人も多いのではないでしょうか。本記事では、両者の違いやOPEX化が必要な理由についても解説していますので、ぜひ最後までご覧ください。



CAPEXとは

CAPEX(キャペックス)とは「Capital Expenditure」の略称で、資本的支出を意味します。設備投資や初期投資と言い換えるとイメージしやすいでしょう。

 

業務に必要な設備や不動産の購入には多額の費用がかかります。購入した設備や不動産は会社の資産となるため、一方的な支出とはなりません。

 

このように、資産価値を残すための支出がCAPEXです。一般的には、設備の購入だけでなく維持や回収、耐用年数を伸ばすためのリフォームなども含まれると考えられています。



OPEXとは

OPEX(オペックス)とは「Operating Expenditure」の略称で、事業運営費を意味します。事業を運営する際には継続的な支出が避けられません。人件費や光熱費、宣伝広告費など、いわゆる経費と呼ばれる支出です。

 

これらの事業運営に必要な支出を総称してOPEXと呼びます。ただし、設備購入にかかる金利や減価償却費などは、OPEXではなくCAPEXに含まれると考えるのが一般的です。


CAPEXとOPEXの違い

前述したとおり、CAPEXとOPEXでは支出の目的が異なります。資産のための支出か、事業運営のための支出かの違いです。しかし、目的以外にもさまざまな違いがあります。代表的な違いが以下の3つです。

 

  • 会計上の取扱い
  • 管理方法
  • 把握できる会社の状況

 

両者の違いを理解していれば、適切な会計処理がおこなえるだけでなく、キャッシュフローの適正化も実現できます。自社の資金を適切に管理するためにも正しく理解しておきましょう。

会計上の取扱い

CAPEXとOPEXでは会計上の取扱いに違いがあります。大きく分別すると、CAPEXは資産、OPEXは費用と考えるとよいでしょう。

 

CAPEXは多額の支出になることが多いため、減価償却をおこない単年度の支出を算出します。複数の年度に渡って費用を算出すると、単年度で作成される損益計算書などから適切なCAPEXを判断することが困難です。

 

一方で、OPEXは経費が発生するたびに計上され、損益計算書などで適性を判断できます。

管理方法

CAPEXとOPEXは、どちらも支出を表す言葉です。そのため、管理としては不要な支出を抑えた適切な資金管理が挙げられます。しかし、管理方法はどちらも同じではありません。

 

CAPEXの場合、支出と同時に資産としての側面もあります。単年度では利益に見えていても、数年後には資産価値が下がり損失となってしまう恐れもあります。設備や投資によって数年後にも利益を得られるのか、長期的な視点が必要です。

 

OPEXの場合だと、削減できる経費があるかを判断して資金管理をおこないます。

把握できる会社の状況

CAPEXとOPEXが算出できると、会社の状況も把握できます。CAPEXの増加は長期的な利益向上を目指している状態です。設備などの投資に積極的で、生産性の向上や事業拡大などが期待できます。

 

しかし、OPEXの増加は経費の増大とも捉えられます。給与や人員増加などが目的の場合もありますが、会社の資金が減少している状況かもしれません。



CAPEXはOPEXへ

近年では、CAPEXをOPEXへと移行するOPEX化に積極的な企業も増えています。OPEX化によりリスクを低減できるからです。

 

CAPEXは多額の支出で資産を獲得しますが、必ずしも資産が利益を生むとは限りません。不具合の修繕やアップデートなど、維持費にも支出が必要なだけでなく、自社で適切に扱えなければ支出した費用が丸ごと無駄になってしまう危険性もあります。

 

そのため、管理システムを定額制のクラウド化にするなど、必要な分だけ必要な設備を利用するOPEX化が注目されているのです。


まとめ

CAPEXとOPEXでは、資産となるか経費となるかに大きな違いがあります。同じ支出でも、会計上の取扱いや管理方法にも違いがあるので注意が必要です。

 

現在ではリスク回避のためにOPEX化を進める企業も増加しています。資金管理の負担を軽減するためにも、ぜひOPEX化を検討してみてはいかがでしょうか。


経営者の想いに寄り添った伴走型支援

当社は複雑化する経営課題を解消するための対策について経営者の想いに寄り添い、経営者の傍らで一緒に考え、そして励まし成長し合いながら共に走り続ける中小企業経営者の良き伴走者となります。
中小企業に即した現実的な経営支援を行っております。こちらからお気軽にご相談ください。
ウィルリンクス中小企業診断士事務所(経済産業省認定 経営革新等支援機関)