キャッシュフローとは?貸借対照表、損益計算書との関係も解説

2022年04月30日 / 最終更新日 : 2022年03月16日

企業の資金の流れを把握する際に「キャッシュフロー」という言葉を普段から耳にする方も多いと思います。この記事では、キャッシュフロー計算書の重要性やその種類、貸借対照表、損益計算書との関係について解説します。


キャッシュフローとは

「キャッシュフロー」とは、簡単に言えば「現金の流れ」を指します。一定会計期間内に、企業にどのように現金が入り(キャッシュイン)、どのように現金が出ていったか(キャッシュアウト)の動きを示すものです。


キャッシュフロー計算書の重要性

「キャッシュフロー計算書」は、前述のキャッシュフローを把握する決算書で、上場企業にはその作成が義務付けられています。「企業が実際に現金をどれだけ持っているか」は、経営を続ける上で非常に重要であり、キャッシュフロー計算書を用いて企業の売上による利益と手元にある現金のズレを把握することで、現金が足りなくなる危険を回避することができます。


キャッシュフローのタイプ

営業活動によるキャッシュフロー

会社の本業によって生じた現金の流れを指します。「商品を販売して稼いだ現金」や「材料の仕入れに支払った現金」などのほか、「税金、保険金の支払い」といった、100%本業とは言えないお金の動きも営業活動に含まれます。

投資活動によるキャッシュフロー

企業の設備投資や余剰資金の運用など、どれだけ自らに投資しているかを指します。このタイプのキャッシュフローからは、企業が現状を維持したり、将来に向けて積極的に投資を行っているかどうかを判断できます。

財務活動によるキャッシュフロー

借入れや投資家からの出資など、本業以外での資金調達による現金の流れを指します。借入金の返済や配当金の支払いなどがこのタイプに含まれます。


貸借対照表、損益計算書との関係

キャッシュフロー計算書、貸借対照表、損益計算書は「財務三表」といい、互いに連動しています。これらを比較することで、さらに詳細な経営分析をすることができます。

貸借対照表との関係

賃借対照表は、期末時に企業にいくらお金があるかを表します。一方でキャッシュフロー計算書は「前期と比較して現金がどのような原因で、どのように変動したか」を表します。両者の関係は深く、キャッシュフロー計算書を用いることで、期末時の最終的な貸借対照表の数字が、どのようにお金を得たり使ったりした結果なのか、それが健全な過程を経ているのかが明確になります。

損益計算書との関係

損益計算書は、「営業活動におけるキャッシュフロー」と密接に関わっています。損益計算書での営業利益が「一定会計期間の営業損益」を表すのに対し、営業活動におけるキャッシュフローは「一定会計期間の本業からの現金収支」を表す、という違いがあるため、損益計算書では営業利益が出ているのに、営業活動によるキャッシュフローが赤字の場合には、売掛金の回収や社内の在庫状況に問題がある可能性が考えられます。このように、キャッシュフロー計算書は損益計算書を補完する役割を果たしているのです。


まとめ

キャッシュフローについて、その意味や内容、損益計算書や貸借対照表との関係などについて解説してきました。キャッシュフローは企業の現金の流れがわかる決算書であり、3つのタイプへの分類や、損益計算書、貸借対照表との連動によって、より正確に経営状態を分析できるようになります。

 

 

最後まで読んで頂きありがとうございました。
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