コアコンピタンスとは?自社の強みを見極める方法や必要不可欠な5つの要素について解説

2023年11月30日 / 最終更新日 : 2023年11月01日

コアコンピタンスは、企業の中核(コア)となる能力(コンピタンス)を意味します。市場競争を勝ち抜くための重要な役割があり、経営戦略に欠かせない概念です。

しかし、具体的にどんな意味があり、どんな能力を表しているのか、曖昧に感じている人も多いのではないでしょうか。

今回の記事では、コアコンピタンスの特徴や見極めに必要な重要な要素について解説しています。基本的な知識をまとめて解説していますので、ぜひ経営の参考にしてください。


コアコンピタンスとは

コアコンピタンスを簡単に説明すると、「企業の強み」となります。市場においては、顧客に自社の商品やサービスを選んでもらうために、他社との差別化が必要です。コアコンピタンスを活かした戦略により、差別化が実現でき、市場競争も有利に進められるでしょう。

具体的には、次の3つの特徴を備えた能力がコアコンピタンスといえます。

1.顧客に利益をもたらす能力
2.競合他社が真似できない能力
3.さまざまな市場や製品に応用できる能力

3つの能力が高いほど、コアコンピタンスが高いと考えられます。


コアコンピタンスに欠かせない5つの要素

コアコンピタンスには3つの特徴がありますが、さらに5つの要素に分解できます。自社のコアコンピタンスを考える際には、5要素を軸に考えなければいけません。5要素の質がコアコンピタンスの向上に影響するからです。

具体的には以下の5要素が重要なポイントとなります。

模倣可能性(Imitability) 真似しやすさを意味します。

摸倣性が低ければ、他社が簡単に真似できず、市場において優位性を維持できます。

移動可能性(Transferability) 応用力を意味します。

1つの技術を、1製品だけでなく他の製品に応用できれば、市場の変化にも柔軟に対応できます。

代替可能性(Substitutability) 独自性を意味します。

他にはないオリジナルの製品やサービスを提供することで、独占的に市場をシェアできます。

希少性(Scarcity) 希少価値を意味します。

数が少ない珍しい技術や特性を備えていれば、顧客に対して価値の高い製品を提供できます。

耐久性(Durability) 優位性を維持する力を意味します。

優位性が長く維持できれば、ブランド価値が高まり顧客からの信頼も向上します。

5つの要素が充実しているほど、コアコンピタンスの価値は高まります。一方で、自社のコアコンピタンスを見極めるために、各要素に対する適切な評価も必要です。


コアコンピタンスを見極める方法

コアコンピタンスを見極めるためには、3つのステップが必要になります。次の3つのステップです。

ステップ1 強みの選定 自社の強みを抽出する手順です。

この段階で挙げられた強みを基礎として、絞りこみをおこなっていきます。コアコンピタンスの候補ともいえるため、自由で多角的な意見が必要です。

ステップ2 強みの評価 候補となった強みを精査する手順です。

コアコンピタンスにおける3つの特徴にあてはめ、他社と比較しながら候補を評価します。

ステップ3 強みの決定 コアコンピタンスを決定する段階です。

評価を基にコアコンピタンスとなりえる候補を限定し、自社の方針に適した強みを決定します。

3つのステップを実行するには時間がかかります。自社の戦略に関わる重要な判断となるからです。短期間で決定せず、十分な議論と検討を重ねて丁寧に実施していかなければいけません。

また、各ステップでは、さまざまなフレームワークの活用も有効です。SWOT分析やブレインストーミングなどを利用すれば、コアコンピタンスの見極めも効率的に進められます。

コアコンピタンスとケイパビリティの違い

ケイパビリティについても説明しておきます。ケイパビリティにも「企業の強み」という意味があり、コアコンピタンスと勘違いして使われる言葉です。両者の違いを簡単に説明すると「比較範囲の違い」といえます。

コアコンピタンスは、技術力や商品力など、企業活動の一部を対象とした「強み」です。一方で、ケイパビリティは、企業全体の能力を対象とした「強み」といえます。両者には明確な違いがあるので、混同してしまわないように注意しましょう。


まとめ

コアコンピタンスとは「企業の強み」です。市場における優位性を維持するために重要な役割があります。しかし、他社との差別化を実現するためには、3つの特徴と5つの要素に注目しなければいけません。それぞれを正しく理解していなければ、低質なコアコンピタンスとなってしまうからです。自社に適したコアコンピタンスを見極めて、市場競争を勝ち抜きましょう。


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