クライシスマネジメントとは?リスクマネジメントやBCPとの違い、対応方法について解説
2024年03月20日 / 最終更新日 : 2024年02月02日クライシスマネジメントは、想定外の事態に対処することです。主に緊急事態での初期対応や、被害拡大を防止するための行動を指します。
しかし、リスクマネジメントやBCPなど、類似した言葉も存在するため、混乱している人も多いのではないでしょうか。
本記事では、クライシスマネジメントと類似する言葉の違いや、対応方法について解説していますので、ぜひ最後までご覧ください。
クライシスマネジメントとは
クライシスマネジメントをひと言で表すと「危機管理」となります。危機や重大局面などと訳される「Crisis」と、管理や経営を意味する「Management」を組み合わせた言葉です。
自然災害などの予測困難な危機に対して、どのように対応するかを、事前に定めておく危機管理の方法といえます。
リスクマネジメントとの違い
リスクマネジメントも危機管理を表す言葉です。クライシスマネジメントとは、対象範囲に違いがあります。
日常の小さなリスクやインシデントへの対応だけでなく、大規模な被害や想定外のクライシスも含め、危機への対応を総称した言葉がリスクマネジメントです。
一方で、クライシスマネジメントは通常の対策では対応できない規模のリスクや、被害が大きく想定外のリスクへの対応と考えられています。つまり、クライシスマネジメントはリスクマネジメントの1種であるといえます。
参考:総務省「リスクマネジメントと危機管理~想定内と想定外:原点に戻って考える~
BCP(事業継続計画)との違い
大規模被害への対応と聞いて、BCP(事業継続計画)を連想する人もいるでしょう。しかし、クライシスマネジメントはBCPとも違いがあります。それは、対処期間の違いです。
BCPは事業を継続するための中長期的な計画を目的としています。一方クライシスマネジメントは、災害への初期対応や被害拡大の防止が目的です。また、BCPでは対応できない想定外な事態へもクライシスマネジメントで対応します。
クライシスマネジメントの対応方法
クライシスマネジメントでは緊急事態に対応するため、事前準備から事態が落ち着くまでの期間で対応が必要になります。具体的には次の3段階で対応が必要です。
- 準備
- 対処
- 回復
それぞれの対応方法を以下でご紹介します。
準備
準備段階の対応は、緊急事態に備えた計画やマニュアルの作成です。緊急時の行動計画であるCMP(クライシスマネジメントプラン)を策定し従業員に周知します。
また、準備段階の対応は緊急時の行動だけにとどまりません。たとえば、火事が起きないように火器の取扱いについて指導を行うなど、緊急事態へと発展しないための注意喚起も有効です。
対処
対処段階の対応は、情報収集と適切な行動です。緊急事態においてはさまざまな情報が飛び交い、正確な情報の取得が困難となります。
正確な情報でなければ適切な行動はできません。情報をどのように取得するのか連絡手段は何を使うのかなど、あらかじめ決めておくと良いでしょう。
情報収集の後には関係者への対応も必要です。従業員に対してどんな指示をするのか、顧客に対してどんな説明をするのかなど、迅速に対応できるように準備を進めましょう。
回復
回復段階では、事態収束後の信頼回復を行います。主な対応は、緊急事態へと至った原因の特定や再発防止案の作成などです。今後の対応を関係者へ示すことで、信頼回復に努めます。
まとめ
クライシスマネジメントとは、想定外の事態や通常の対策では対応できない事態に対する危機管理の方法です。リスクマネジメントやBCPにも似た概念ですが、それぞれで異なる特徴があります。
クライシスマネジメントに取り組む際には、準備から回復までの3段階を意識して、各段階で適切な対応ができるように検討しましょう。
経営者の想いに寄り添った伴走型支援
当社は複雑化する経営課題を解消するための対策について経営者の想いに寄り添い、経営者の傍らで一緒に考え、そして励まし成長し合いながら共に走り続ける中小企業経営者の良き伴走者となります。
中小企業に即した現実的な経営支援を行っております。こちらからお気軽にご相談ください。
ウィルリンクス中小企業診断士事務所(経済産業省認定 経営革新等支援機関)