CVP分析とは?損失利益の分岐点について解説します
2021年12月05日 / 最終更新日 : 2021年11月09日はじめに
CVP分析(Cost-Volume-Profit Analysis)は「コスト(Cost)」「販売量(Volume)」「利益(Profit)」の相互関係を分析する手法です。
また、CVP分析は「損益分岐点」分析とも呼ばれており、損益分岐点について理解することがとても大切ですので、この概念を中心に解説していきます。
損益分岐点について
企業は経営活動によって利益を獲得することを主な目的としています。経営活動による売上が費用に満たない場合には損失が発生することとなりますが、企業努力等により売上を増加させた結果、費用を上回った場合には利益が発生することとなります。
このように、売上増加によって損失から利益への転換するときの売上高のことを損益分岐点といいます。
具体的に数式を使って損益分岐点について考えてみましょう。
売上・費用・利益の関係を数式で表すと以下のとおりとなります。
利益=売上-費用
「売上<費用」であれば利益がマイナスとなるので損失です。逆に「売上>費用」であれば利益が発生します。したがって、損失から利益への転換点は「売上=費用」のときとなり、このときの売上高が損益分岐点となります。
CVP分析とは
さらに詳しい分析をするために、費用を固定費と変動費に区分してみましょう。
ここで固定費とは、生産量・販売量の増減と関係なく一定額が発生する費用のことで、例えば、本社の人件費、事務所の賃借料や固定資産の減価償却費等があります。
これに対して変動費は生産量・販売量に比例して発生する費用のことで、仕入・外注費など主に売上原価と呼ばれる項目が該当します。
「費用」を「固定費+変動費」に置き換えると先の数式は以下のとおりとなります。
利益=売上-(固定費+変動費)
この数式からわかるように、CVP分析では売上・固定費・変動費の増減が利益に与える影響を分析することができます。
CVP分析の用途
CVP分析は主として、利益計画の策定に用いられます。
CVP分析を利用することで、目標とする利益を達成するために売上をどれだけ獲得する必要があり、固定費や変動費といったコストをどれくらい引き下げなければならないのかを分析することができるのです。
そこで、CVP分析をもう一歩進めて考えてみましょう。損益分岐点では利益がゼロとなりますから先の数式は以下のとおりとなります。
0=売上-(固定費+変動費)
さらに変形すると以下のとおりとなります。
売上-変動費=固定費
ここで「売上-変動費」のことを限界利益といいます。俗に言う粗利に近いイメージです。この数式が意味するところは、限界利益が固定費を回収し終えたところが損益分岐点であるということです。
したがって、限界利益が固定費を回収し損益分岐点を超えた場合には、限界利益がそのまま全社利益に貢献することとなります。
例えば、複数の製品ラインを持つ企業は、主力製品の限界利益で固定費を回収できるならば、他の副次的な製品ラインでは変動費ギリギリの価格設定とすることも許されることになります。
飛行機やホテルの早割等は、このような考え方に基づき変動費に近い価格設定がされている例といえるでしょう。
まとめ
このようにCVP分析は、費用を変動費と固定費に分類する等、若干の前提条件はあるものの、簡単でわかりやすいため説得力のある分析手法といえます。
最後まで読んで頂きありがとうございました。
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