価格弾力性とは?具体事例や計算方法、活用方法について解説
2023年09月25日 / 最終更新日 : 2023年09月01日自社商品の価格設定は適切ですか?
価格弾力性は商品の価格設定にも役立つ分析手法の1種です。変化の多いビジネスの市場では、非常に有益な指標となります。
本記事では、価格弾力性について事例を交えて解説しています。後半では活用方法についてもご紹介していますので、ぜひ最後までご覧ください。
価格弾力性とは
価格弾力性とは、商品の価格変動によって需要や供給が変化する割合を表した数値です。
たとえば、価格を値上げすると商品を求める人は少なくなるでしょう。一方で、値下げをすれば求める人は多くなるはずです。
このように、商品を求める人が変化する数量や、提供する商品数の数量を具体的に数値で表したものといえます。
1を基準として、1を超える数値は弾力性が大きいと表現し、下回る数値は弾力性が小さいと表現します。
需要の価格弾力性
需要の弾力性とは、商品価格が変わった場合に、商品を求める人(需要)の増減量がどれほど変化したのかを表した数値です。次の計算式で算出できます。
計算式:価格弾力性=需要(供給)の変化率(%)÷価格の変化率(%)
※需要(供給)の変化率=(価格変更後の売上-価格変更前の売上)÷価格変更前の売上※価格の変化率=(変更後の価格-変更前の価格)÷変更前の価格
簡単な事例を見てみましょう。商品価格を10%値上げしたら売上が5%減少した例です。
5%(需要の変化率)÷10%(価格の変化率)=0.5%(価格弾力性)
事例の場合は価格弾力性が0.5となるため、弾力性が低いと判断できます。
供給の価格弾力性
供給の弾力性とは、市場価格の変化によって商品を提供できる数量の変化を表した数値です。トレンド商品や限定品などがイメージしやすいかもしれません。
アニメやドラマが流行すると関連グッズは値上がりします。利益が得やすいため、さらに商品を出荷して供給が増加します。これが価格により供給が変化する状況です。
供給の弾力性も需要の弾力性と同じ計算式で算出できます。
計算式:供給の弾力性=供給の変化率(%)÷価格の変化率(%)
10%の値上げにより出荷数を15%増加した場合
15%(供給の変化率)÷10%(価格の変化率)=1.5%(価格弾力性)
上記の場合は基準の1を超えるため、弾力性が大きいといえます。
価格弾力性の数値から分かること
価格弾力性の数値が分かると、企業経営に役立ちます。自社商品の価格設定や他社商品の分析などに活用できるからです。
以下では、価格弾力性を活用するために、数値から分かることを解説します。
価格弾力性が大きい場合
価格弾力性が大きい場合、顧客への影響も大きいといえます。値上げにより顧客が離れやすく、値下げにより顧客がつきやすい状況です。
代表的な商品としては宝石や車などの嗜好品が挙げられます。嗜好品の弾力性が大きくなる理由は「必需品ではないから」です。
今すぐに必要ではないため、顧客は価格が下がるまで購入を控えたり、価格が上がると購入を先延ばしにしたりします。
しかし、必ずしも価格を下げればよいわけではありません。商品には人件費や輸送費などのコストがかかっています。商品価格設定は原価にも注意した価格決定が重要です。
価格弾力性が小さい場合
価格弾力性が小さい場合、顧客への影響力も小さくなります。価格に関わらず商品を購入してもらえる状態です。
お米や野菜などの日常生活に欠かせない商品は、価格弾力性が小さい傾向にあります。
理由は「必需品だから」です。生活に不可欠なので多少の値上がりでも需要はあまり変わりません。
安定して購入してもらえるとも考えられますが、売上が低調な商品であれば、今後の売上も低調を継続する可能性があります。商品自体の改良や宣伝方法の変更など、別の方法で分析と改善が必要になるかもしれません。
まとめ
価格弾力性は、商品価格の変動がもたらす需要や供給の変化量を示す数値です。うまく活用できれば、効率よく利益を高められます。この機会に、自社商品の価格弾力性を確認して、事業戦略を見直してみるのはいかがでしょうか。
最後まで読んで頂きありがとうございました。
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