EPSとは?何が読み取れてどのように活用できるかを解説します

2022年12月05日 / 最終更新日 : 2022年11月08日

企業に投資する際にはいくつもの判断材料が必要です。

今回は判断材料の1つとして「EPS」についてご紹介します。

EPSを知ることで、配当に関する企業の傾向や企業の収益力を測ることができます。

投資の知識力向上にぜひ役立ててください。




 

EPSとは

EPSは「1株当たりの利益」のことで、企業の利益を1株に換算して表したものです。

具体的には以下の計算式で算出できます。

 

EPS=当期純利益÷発行済株式総数

 

当期純利益を基に計算するのは投資家が大きく関係します。

EPSは投資家が企業分析する際に利用されることが多く、配当に関する情報を読み取れるからです。

投資家への配当は営業利益などではなく当期純利益が原資となるため、EPSの算出には当期純利益を基に計算されます。

加えて、発行済株式総数についても配当が関係します。

純利益が増えてるように見えても、株式を増やして投資した人が増えただけでは純粋な利益とはいえません。

発行済株式総数を用いることで1株当たりの本当の利益が読み取れるようになります。




 

EPSで分かること

EPSを算出すれば、投資に必要な情報を知ることができます。

具体的な情報としては「配当性向」と「株価予測」です。

配当性向

配当性向とは、利益を配当金へ還元する割合のことで、次の式で算出が可能です。

 

配当性向(%)=1株当たりの配当金÷1株当たりの当期純利益×100

 

配当性向が高いと投資家への還元を、低いと企業の内部留保を重視しているともいえます。

ただし、配当が高いから良いというわけではありません。

内部留保を蓄える企業は、安定的とも判断できますし、新事業の準備として蓄えている可能性もあるからです。

株価予測

過去のEPSを調べることでEPSの成長率を算出することができます。

EPS成長率が高ければ株価も増加傾向であると判断でき、将来的にも上昇するかもしれません。

EPS成長率が低ければ将来的な下落も想定できます。

もちろん、設備投資などの可能性もあるので一概にはいえませんが、ある程度の参考としては目安にできるでしょう。




 

EPSが変化する要因

株価の予測にも必要なEPSですが、EPSが変動するのには理由があります。

代表的な変動要因についてご紹介していきましょう。

増加要因

EPSが増加する理由は主に2つあります。

「当期純利益の増加」と「発行済株式数の減少」です。

当期純利益の増加は、単純に、企業の利益が増加したため1株当たりの配当も増加することを意味します。

また、株式が減ることで1株当たりの配当比率が増えるのもEPS増加の要因です。

株式が減少する理由としては自社株買いや株式併合などが挙げられます。

減少要因

減少の理由も主に2つあり、代表的な理由は「当期純利益の減少」と「発行済株式数の増加」です。

純利益の減少は、企業の利益が少なくなったから配当も減少するのですが、利益の減少理由にも着目しなければなりません。

利益の減少は売上が下がる以外にも、新事業の立ち上げや設備投資なども原因となります。

新事業や設備投資は一時的に利益減少となりますが、将来的には大きな利益増加となる可能性があるからです。

株式の増加については、増加要因と同様の理屈で、株式が増えれば1株当たりの配当が減ります。

株式増加の理由は、新株発行や株式分割などが挙げられます。




 

まとめ

今回はEPSの概要についてご紹介してきました。

EPSを理解すれば、投資に必要な情報を読み取ることができます。

とはいえ、EPSを過信するのも良くありません。

あくまで、投資の判断材料の1つに過ぎないと認識しておきましょう。

 

最後まで読んで頂きありがとうございました。
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