フェルミ推定とは?論理的思考につながる解き方を具体例つきで解説
2023年12月10日 / 最終更新日 : 2023年11月02日フェルミ推定は、就職活動にも役立つ論理的な思考方法です。言葉を知っているだけで、実際の考え方を知らない人も多いのではないでしょうか。本記事では、論理的思考につながるフェルミ推定の解き方についてご紹介しています。具体例を交えて分かりやすく解説していますので、ぜひ最後までご覧ください。
フェルミ推定とは
フェルミ推定とは、正確な答えは不明だが正解に近い答えを論理的に導き出す方法です。「日本に電柱は何本ある?」「ある店舗の1日の売上は?」などの質問に回答するための思考法ともいえます。正解が不明なため、正確な回答が目的ではありません。根拠をもって論理的に考えられているかが重要です。回答ではなく過程に重要な目的があるため、企業の採用面接などで利用されています。
フェルミ推定の解き方
フェルミ推定を解くには4つの工程が必要になります。以下の4つです。
- 確認
- 思考
- 計算
- 検証
段階を経て考えれば、自然と正解に近い解答を導き出せます。各工程には関連性があり論理的な思考に直結するからです。たとえば、日本の面積が約40万平方kmと確認出来たら、近所にある電柱の数を考えます。50平方mに1本ほどであれば、40万平方km(4,000億平方m)÷50平方mと計算でき、回答は80億本となります。過程が重視されるフェルミ推定においては、正解を答えるよりも、解き方を理解しておくことの方が需要となるのです。段階的に考えれば論理的な思考につながり、なぜ回答の数値となったのか、どんな計算で回答に至ったか、などの具体的な説明ができるようになります。
確認
フェルミ推定を解くには、事前知識と問題文の確認が必要です。たとえば、電柱の数を問われた場合、日本中の電柱なのか東京都内の電柱なのかによっても計算方法は異なります。そのため、「何を問われているのか」をしっかりと確認しておかなければいけません。また、前提知識も重要となります。前提知識がなければ解き始めることもできないからです。フェルミ推定に必要な情報として、以下の基礎知識は覚えておきましょう。
人口 | 1億2,000万人 |
世帯数 | 5,000万世帯 |
平均寿命 | 84歳 |
平均年収 | 430万円 |
給与所得者数 | 5,000万人 |
1年間の出生数 | 100万人 |
小学校の数 | 20,000校 |
中学校の数 | 10,000校 |
高校の数 | 5,000校 |
大学の数 | 780校 |
市の数 | 800か所 |
町の数 | 700か所 |
村の数 | 200か所 |
世界の人口 | 76億人 |
国の数 | 196か国 |
地球の直系 | 1.2万km |
思考
思考とは、どのような計算方法であれば正解に近づけるかを考える工程です。例として「日本における大学生の数」について考えてみましょう。日本の大学生の数を算出するためには、大学の数が必要です。大学に何人在学しているかが分かれば簡単ですが、前提知識だけでは分かりません。そのため、何人在学しているかの推定が必要です。在学者数の推定には出生数と進学率なども必要になります。進学率も前提知識がなければ分かりませんが、「50%と仮定する」など自身が保有している知識を活用して回答を導き出さなければいけません。さらに、一般的な大学は4年制となっているため、かけ算で1大学の在籍者数を算出します。
計算
計算は思考段階で考えた計算式に実際の数字をあてはめる工程です。大学生の数を算出する場合、「出生数×進学率×4学年」で1大学の在籍者数を算出するため、「100万人×50%×4学年=200万人」となります。くわえて、日本の大学生の数であれば、大学数も必要となるため、「200万人×780校=15億6,000万人」となります。
検証
検証は導き出した答えの妥当性を考える工程です。正解かどうかではなく妥当かどうかを考えます。大学生の例で考えた場合、算出された答えが「日本に大学生は100人」だと現実的ではありません。妥当性のない回答となってしまったら、どの工程が不適切だったのかを検証し、修正する作業が必要となります。
まとめ
フェルミ推定は、分からない答えを論理的に導き出す考え方です。段階的な4工程の解き方を理解していれば、採用面接も有利に進められるでしょう。フェルミ推定は練習を重ねれば理解が深まります。本記事を参考に多くの問題にチャレンジしてみてください。
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