自己資本比率とは?高め方や計算方法、業種別の目安などについても解説

2022年09月20日 / 最終更新日 : 2022年08月04日

事業を安全に進めていくには、経営指標についての理解を深めることも必要です。今回は、自己資本比率について解説します。

 

自己資本比率がわかると企業財務の安全性を確認することができますので、本記事を読んで自己資本比率の内容を把握していきましょう。




 

自己資本比率とは

先述したとおり、自己資本比率は、企業の財務安全性を見るための経営指標で、負債・純資産の合計額(総資本)に占める純資産の割合のことをいいます。

 

負債は、銀行などの融資で得たお金のことで、いつか返済しなければならないものですが、純資産は、返済する必要が無いお金です。企業経営に使うお金の中で、返済の必要がないものの割合がどれくらいあるかを示したものが、自己資本比率というわけです。




 

自己資本比率の計算方法

自己資本比率は、以下のような計算式で求めることができます。

 

自己資本比率(%) = 純資産 ÷ (負債+純資産)× 100

 

自己資本比率が高ければ高いほど、総資本における純資産の割合が高いことを意味します。結果的に返済するお金が少ないことになりますので、それだけ「企業財務の安全性が高い」と判断することができます。




 

【業種別】自己資本比率の目安

自己資本比率は、業態の違いから、業種によって目安が大きく異なります。

「平成30年 中小企業実態基本調査」によると、各業種の自己資本比率の目安は下記のとおりです。

 

建設業 39.5%
製造業 45.6%
情報通信業 58.6%
運輸業、郵便業 36.3%
卸売業 38.3%
小売業 36.7%
不動産業、物品貸借業 32.7%
宿泊業・飲食サービス業 14.4%
サービス業(ほかに分類されないもの) 44.9%

中小企業全体を平均すると約40%前後であることがわかります。

 

最も自己資本比率が高いのは情報通信業です。IT関連の事業が多く、在庫を抱える必要がない企業が多いため、先行投資がそれほど無くても売上が作りやすい業種であることから、自己資本比率は高い傾向にあります。

 

これに対して、最も自己資本比率が低いのは宿泊業・飲食サービス業です。どうしても店舗や旅館を構えたり、料理や宿泊サービスなどを提供しようとすると、多くの先行投資が必要になるため、自己資本比率は低い傾向にあります。




 

自己資本比率の高め方

もし、会社の自己資本比率が業界水準よりも低く財政的に危険な状態の場合、どのようにして自己資本比率を高めていけば良いのでしょうか?

 

重要なのは、「自己資本比率が低い原因を把握する」ということです。買掛金が多いのか、借入金が多いのか、その原因が分かれば、対策を取ることができます。

 

買掛金が多い場合は、買掛金の支払スパンを早めたり、そもそもの仕入金額を減らし、粗利率を高められないかを模索してみましょう。

 

借入金が多い場合は、その借入金が売上にしっかり貢献をしているかどうかを確認しましょう。あまり売上に貢献しておらず、預金のまま持っていては、利息ばかりかかる金食い虫になってしまいますので、繰り上げ返済を検討し、負債の金額を減らすことで自己資本比率を高めることを検討していくのが良いでしょう。




 

まとめ

今回は自己資本比率について詳しく解説しました。自己資本比率は、企業財務の安全性を確認する上で大切な経営指標の1つに数えられています。

 

また、自己資本比率の計算方法や業種別の自己資本比率の目安、自己資本比率の高め方についても解説しました。自己資本比率を多角的に理解することで、企業財務を長期的な目線で評価し、倒産に強い企業体質を作ることも可能です。

 

本記事を参考に、自己資本比率を有効に使ってみてください。

 

最後まで読んで頂きありがとうございました。
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