管理会計・財務会計・税務会計の目的の違いを把握しよう
2021年04月05日 / 最終更新日 : 2020年12月30日会計の世界には、その目的によって様々な会計手法が存在します。
その中でも、一般に広く用いられているのが、「財務会計」や「税務会計」です。この他、「管理会計」と呼ばれる会計手法も存在します。
本記事で、これらの会計を作成する目的や、必要としている人の違いを明らかにしていきます。
目的に合った会計がある
今回ご紹介する3つの会計は、それぞれ作成する目的が異なります。それはすなわち、見せる相手が異なることを意味します。
どの会計が最も優れているか、というものではなく、見る人が何を知りたいのかによって、適した会計も変わるということを覚えておいて下さい。
管理会計・財務会計・税務会計の違い
それでは、「管理会計」、「財務会計」、「税務会計」の順番で、それぞれの会計が誰に見せる目的で作成されるのかを見ていきましょう。
管理会計
まずは、管理会計から見ていきましょう。管理会計を必要としているのは、経営者自身や、経営担当者など企業内部の人間です。したがって、会計を税理士事務所に委託していたり、経理の内製化が難しい中小企業などでは、あまり馴染みのない会計かもしれません。
管理会計の作り方は、企業の業種や経営戦略によって様々です。例えば、「どれだけ外注に頼らずに利益を上げているか」ということは、財務会計や税務会計ではわかりません。攻めの経営をする時に、あると便利な会計、という認識で良いでしょう。
財務会計
次に、財務会計について見ていきましょう。財務会計を必要としているのは、企業外部の利害関係者が多いです。例えば、融資をしてくれる銀行や、保険会社などが筆頭です。その他、大企業は法律によって決算書の開示が義務付けられておりますが、ここで使われるのも財務会計となります。
財務会計の作り方は、「企業会計原則」という会計原則によって定められていますので、企業によって計算方法が大きく変わることは有りません。外部の人間がその企業を評価する際に使われる会計、という認識で良いでしょう。
税務会計
最後に、税務会計について見ていきましょう。税務会計を必要としているのは、その名前の通り、税務署や都道府県税事務所など、税金を扱っている役所関係となります。
一般的に、財務会計上の「当期純利益」の金額と、税務会計上の「課税所得」は一致しません。これは、税務会計上費用と認められるものでも、税務会計上の損金に算入できなかったり、損金算入できる金額に制限があったりするからです(寄付金や接待交際費など)。この他にも「当期純利益」と「課税所得」がずれる要因は沢山ありますが、財務会計と税務会計は、似て非なるものと解釈しておくべきです。財務会計上の当期純利益が全く同じ2社があったとしても、税務会計上の課税所得が同じになることはおそらく無いでしょう。
まとめ
今回は、3つの異なる会計手法について、その目的や、見る人の違い、という観点から説明を致しました。それぞれの会計の違いを把握しておくことで、自分にとってどんな会計が必要なのかはもちろん、どの場面で、どんな会計が必要とされるのかを理解する手がかりにして頂ければ幸いです。
最後まで読んで頂きありがとうございました。
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