会社法とは?その守備範囲と必要な場面とは

2022年04月05日 / 最終更新日 : 2022年03月09日

企業経営において、どの法人にも関連する法律として会社法があげられます。経営者のみならずすべてのビジネスパーソンが知っておきたい会社法について解説します。




 

会社法とは? – 会社法は何を規定しているのか

会社法は会社の設立、組織体制、運営方法などについて定めた法律です。会社に関係するステークホルダーは消費者だけでなく従業員、役員、株主、債権者など多岐にわたるため、そのステークホルダー間の権利関係を調整するルールが定められていないと社会が混乱してしまいます。法律の専門家はさておき、起業を志すような方以外は条文を読むことが少ない法律ですが、会社法は多くの人の生活に関係しています。




 

会社法が必要な場面とは? – 会社の設立や運営について

起業して会社を設立された方であればご存知かもしれませんが、会社の設立や組織の設計には会社法の知識が必須になります。例えば会社の種類として、株式会社、合名会社、合同会社、合資会社の4種類を規定しています。会社を「法人」と呼んだりすることがありますが、自然人とは別に、人工的に「法人格」という権利義務の主体を作り出すわけですから、好き勝手な名前で作れるわけではないのです。4種類に分かれているのには意味があり、それぞれ会社の持ち主の責任範囲や会社として負う義務に差異があります。会社を作りたい人はそれぞれの条件を比較して、より自分の目指す組織に適したかたちを選択する必要があります。




 

株式会社とは? – 会社法との関係

株式会社が最も数が多く、ポピュラーな設立形態と言えるでしょう。それは社会的な信用が高いことと、出資者の責任が有限で出資を募りやすいなどの理由によります。株主はお金を出すだけで、出したお金以上の責任は原則として負いません。そういったルールを会社法が規定しています。株式会社のコンセプトは会社の所有と経営を分離することにあり、経営をプロの経営者を選任してお任せすることができます。監査役を選任して役員がちゃんと会社のために仕事をしているかもチェックさせることができます。お金もあって経営手腕もある人は世の中に限られますが、その片方だけならあるよ、という人はもっといるため、所有と経営を分離することは合理的と言えるでしょう。近代以降に株式会社の発想が生まれると、爆発的にその数が増えました。ただ、株式会社の社会的信用が高いのは会社法上の規制が多いことの裏返しでもあるので、良いことばかりではない点に注意が必要です。




 

知っておくべき会社法の知識とは? – 経営者でなくても関係する分野

会社法は経営者だけの法律ではありません。会社の買収や清算についても会社法の知識は必要になります。会社は消費者の動向やグローバルな競争による影響を受けて、競合他社同士で合併したり、有力な事業を切り出して子会社化したりと、なんとか生き残ろうともがいています。会社法は会社の合併や分割に関するルールを規定していますので、会社員であってもその影響を受けることがあり得るわけです。

また、今や株式投資は資産形成の手法としてポピュラーであり、どんな方でも株主になる可能性がある世の中です。会社法は株主の権利や、株主総会の開き方、会社の利益をどのように株主に配るかなどを定めています。そのため、株式投資に興味がある方は最低限の知識があった方が望ましいでしょう。




 

株主の権利とは? – 会社法の規定

株主の重要な権利として、会社の利益の分配を受ける権利があります。これを「配当」と言いますが、会社の利益をどれくらい配当に回すのかは、適法に開催された株主総会で承認されなければいけません。また、会社法で定める一定の条件に当てはまる場合は、配当を取締役会の決議で決めることができます。このように、株主総会や取締役会で何を決めなければいけないのか(決められるのか)を判断するには会社法の知識が必要になります。株主総会に出席することも株主の重要な権利であり、適切に株主総会が開かれていなかったりすると、そこで決めた事は無効だ!と裁判になったりすることもあります。そのため、会社法に則って適切に株主総会や取締役会などでの決議を行うことは、株式会社にとって非常に大切なことなのです。




 

会社法についてもっと知りたい! – 条文はお経?

法律について知りたい場合、その条文を読むことが基本となります。しかし、会社法はこの記事の執筆時点で979条もあり、それをしっかり読み込むのは大変です。しかも民法とは違って聞きなれない用語が乱発されるので、専門家でないと10条も読まないうちに睡魔に襲われることでしょう。有斐閣の会社法リーガルクエストのような初学者向けの基本書もおすすめですが、そんなに時間をかけられないという方も多いと思います。会社の設立や運営は社会的な影響もあり、間違えた時のリスクは大きい場合が多いため、にわか仕込みの知識では不安です。必要に応じて法律の専門家にご相談されるのが、結局は効率的な手段である可能性が高いでしょう。

 

最後まで読んで頂きありがとうございました。
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