カニバリゼーションのメリット・デメリット。戦略的活用は可能?
2021年09月01日 / 最終更新日 : 2021年08月10日カニバリゼーションとは?
カニバリゼーションという現象についてご存じでしょうか?直訳すると『共食い』という意味になりますが、類似する自社製品同士が互いに売上を奪い合ってしまう現象のことを指します。
カニバリゼーションのデメリット
本来なら新たな製品を発売すれば新たな顧客を獲得でき、企業全体の売上アップにもつながると考えるのではないかと思います。ところが、市場に流通させた製品が自社の既存商品との明確な差別化やターゲット層の選定ができていなかった場合、カニバリゼーションが起こってしまいます。
その結果、既存商品の売上が低下し、新商品の売れ行きが好調であっても企業全体の売上を見ると減少傾向となってしまう恐れがあります。売上減は企業の競争力低下につながります。競合他社との競争力が弱まり、市場に新規参入を許してしまう恐れや既存顧客を奪われる可能性もあることがデメリットです。自社製品間でのシェアの奪い合いを避けるためにも、戦略的意図のないカニバリゼーションは防いだ方が良いでしょう。
カニバリゼーションが良くない方向に作用した例として、とある飲料会社は、既存商品であるビールよりも廉価な発泡酒の販売を始めました。これは新たな顧客獲得を見込んでのものでしたが、既存のビール消費者層が発泡酒へと流れてしまう結果となり企業全体の売上拡大には至らなかったということもあります。
カニバリゼーションを防止するには
商品開発段階では、企業内でコミュニケーションを活発化しチーム毎に生産する製品の特性やそれぞれの違いを明確化しておくことが重要です。製品同士で売上の奪い合いを防ぐために、ターゲット層が重ならないよう商品別に差異化を高めましょう。また、商品展開の際には既存とは異なるチャネル展開を行う必要があります。
カニバリゼーションのメリットと戦略的活用法
カニバリゼーションにはメリットと言える部分もあります。例えば企業内でカニバリゼーションを意図的に発生させることで、チーム間での競争ムードが高まりモチベーションの向上によって企業全体の業績拡大を狙うことも可能です。
あるいは、競合他社の主力商品に類似した商品を市場展開し意図的にカニバリゼーションを生み出すことで、競合他社の展開拡大を抑制するといった利用法も考えられます。
まとめ
意図せず発生するカニバリゼーションは企業内における製品の潰し合いにつながります。業績悪化や売上減を防ぐためにも開発段階から他製品との差別化や明確なターゲット選定を行っておくことが防止につながります。そのためにも企業内の風通しを高め、一人一人が商品毎の特性を明確に理解しておかなければなりません。
カニバリゼーションを戦略的に活用する場合には、事前にリサーチを入念に行い他社においても企業内においても差別化された独自の魅力を持つ製品を開発していくことが鍵となるでしょう。
最後まで読んで頂きありがとうございました。
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