経営とは何なのか?
2020年09月20日 / 最終更新日 : 2020年09月12日中小企業診断士の山田盛史です。今回は経営について私の考え方を書きます。
世の中には様々な会社、経営者がいます。
会社が100社あれば、100通りのビジネスがあります。
そして経営者が100人いれば、100通りの経営に対する考え方があると思います。
そもそも経営とは何なのか?
「そもそも経営とは何なのか?」私は究極的には、
「お金を集めて、お金を増やし、利害関係者に還元する行為」だと言えると考えています。
まず、事業を始める、また会社経営を始めるときに最初にやることはお金を集めることです。
お金の集め方は色々あります。例えば、経営者自身の貯金もあるでしょうし、親族からの借入もあるかもしれません。
また、銀行からの融資や第三者からの出資という形もあり、ここ数年ではクラウドファンディングなどの方法も活況です。
いずれかの方法で、まずはお金を集める必要があります。
お金をどうやって増やすか?
次に集めたお金を元手にして、お金を増やします。
ここで、「どうやってお金を増やすか?」その答えがビジネスモデルという事になります。
例えば、何か商品を製造して販売する。またはアプリを開発して利用してもらう。
経営者自身のスキルをサービスとして提供する等です。
一般にビジネスモデルは「誰に、何を、どのように」提供するかを明確化する必要があります。
そして、このビジネスモデルには経営者自身の価値観や過去の原体験、大切にしたいことや想いなどが投影されます。
会社や事業は経営者の芸術作品である、という言葉がありますが、まさにビジネスをどのようにデザインしていくかは経営者の考えやセンスによって規定されるものです。
また、経営はアートとサイエンスという言葉で語られることもあります。
サイエンスとは科学であり、再現性のあるビジネスモデルです。
他の人がやってもある程度は同じような結果を得られるビジネスモデルです。
一方、アートとは芸術であり、再現性がないビジネスモデルです。
直感や感覚など、その人の持つクリエイティブな部分でビジネスモデルが作られている場合です。
明文化や形式化ができないセンスがビジネスモデルの源泉になっています。
このように、ビジネスモデルは非常に多様で、また時代によっても変わっていくものです。
ビジネスモデルは多様に存在しますが、その目的は「どうやってお金を増やすか?」究極的にはここに行きつきます。
利害関係者への還元をする
最後に利害関係者に還元を行います。
真っ先に思いつくのは、銀行への利息の支払いや返済だと思います。
銀行は多くの企業の主要な債権者ですが、もう少し広く利害関係者を定義すると企業経営の社会的な意義が見えてきます。
下図を見てください。
これは損益計算書です。
損益計算書には、売上高から始まり、売上総利益、営業利益、経常利益、税引前当期純利益、当期純利益という5つの利益が存在します。
これらの利益は段階的に費用を差し引くことで求められます。
つまり段階的に利害関係者に費用を支払っていくことになります。
まず、売上原価という費用があります。これは仕入先や外注先に対する支払いです。
そして、次に販管費という費用がきます。
販管費の中には給与や賞与、社会保険料などが含まれます。
これは会社で業務に従事してくれている従業員への支払い、つまり還元と言えます。
次に営業外収益や営業外費用というものがあります。
営業外費用には銀行への支払利息が含まれています。
支払利息は融資をしてくれている銀行への還元といえます。
同時に借入の元金も返済を行います。
元金の残高や返済は損益計算書ではなく貸借対照表に負債して計上されるため損益計算書には現れませんが、いずれにしても銀行への還元を行う必要があります。
そして、年度の儲けから法人税等の税金が計算されて、しかるべき税金を支払います。
税金は国に対する還元という捉え方もできます。
最後に当期純利益が算出されますが、出資者への配当は当期純利益の中からなされます。
経営は利害関係者との調和
このように見ていくと、経営とは様々な利害関係者との付き合いが必ず発生し、利害関係者たちと上手く調和していくことが求められます。
企業を経営していく目的や意義、経営を通して実現させたい事は経営者によって様々ですが、いずれも経営とは地域の雇用を創出し、地域経済の資金を還流させるという重要な役割を担っているのです。
経営コンサルタントは、経営とは何か?そして、クライアント企業が利害関係者に与える影響はどういったものか?ということを広く捉えてクライアント企業の支援にあたりたいものです。
あなたは、経営とは何であると答えますか?
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