景品表示法の二重価格規制とは

2022年06月30日 / 最終更新日 : 2022年05月16日

BtoCのビジネスにおいて、消費者向けにどのような価格表示をするかはとても重要な問題です。今回は値段の表示の際に気をつけるべき景品表示法上の規制について解説します。




 

景品表示法とは?

 景品表示法というものをご存知でしょうか。事業者が広告を出したり、景品を提供することについて、消費者の判断を狂わせるようなことが無いように規制している法律です。




 

不当表示とは?

 景品表示法が規制している行為の内、事業者が不適切な広告を出すことを不当表示と言います。例えば、「本日限定10名、国産牛肉100グラム大特価」と表示しているにもかかわらず、実際は外国産であったり、10名に限定する必要がないほど十分な在庫があったり、あるいは100グラムに満たない分量しか内包されていなかったりした場合、嘘の表示を信じて購入した消費者は困ってしまいます。こういった違反表示の1件ごとに消費者が被る被害は、金額にすると少額にとどまることが多く、裁判費用を考えると泣き寝入りをせざるを得ないケースも多々あることから、消費者庁が消費者向けの通報窓口を設置し、違反する企業を取り締まる姿勢で臨んでいます。




 

二重価格規制とは?

セールの時など、通常の売り出し価格よりも低い価格であることを示すために、通常価格とセール価格と併記することはよくあります。誤解をしないでいただきたいのですが、このように二重に価格を表示すること自体は適正に表示されている限り問題とはなりません。消費者にとってもどれだけ値下げされているかを知ることにはメリットがあります。しかし、消費者の心理につけ込んで、架空の通常価格を高く設定して現在の値段を割安に見せたりすることは問題となり得ます。その為、景品表示法では通常価格として一定期間売り出した実績がある場合にしか二重価格表示に使えないことにしており、その価格は「最近相当期間価格」と通称されています。

具体的には、セール開始時を基準に過去8週間(販売期間が8週間未満の場合はその期間)の過半を占める期間でその価格で販売されていて、且つ、その期間が2週間以上であり、その価格で最後に販売していた時期から2週間を経過していない場合において、“最近、相当期間にわたって販売していた価格”と言えるため、割引前の比較対象として表示することができます。

通常顧客の目に止まらないような場所に形式的に掲示していたというだけでは売り出していた実績として認められない可能性が高いです。また、同一の商品であることが前提であり、グレードの異なる製品の価格を「最近相当期間価格」として表示することもできません。

これらのルールを守った上で、適正な二重価格表示を行い、セール品の割安感を顧客に訴求することが望ましいです。




 

具体的な違反事例

 具体的な違反事例は消費者庁のホームページに掲載されていますので、ご興味のある方は同庁のWebサイトを一度訪れてみてはいかがでしょうか。直近の二重価格表示にかかる違反事例として、ジャパネットたかたがエアコンの販売において、最近相当期間価格に当たらない金額を値引き前の通常価格として表示したことに対して、消費者庁から再発防止の措置命令と課徴金納付命令が出されています。企業としては、課徴金という金銭的なペナルティに加え、違反事例として公表されることによるレピュテーションリスクも生じ得る問題のため、適切な二重価格表示となるよう気を払うべき問題と言えるでしょう。

 

 

最後まで読んで頂きありがとうございました。
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