キャリアアップとは、キャリア上の地位を向上させることです。キャリアアップの有無は本人の意思によりますが、会社や経営者はキャリアアップの風土を形成したり手助けしたりすることができます。キャリアアップに関連した助成金も2つ紹介します。

キャリアアップとは

キャリアアップとは、キャリア（職業生活）での地位をあげることです。人によってキャリアアップの定義は様々ですが、次のような例が挙げられます。

• 転職して年収がアップした
• 仕事で成果をあげて昇格／昇給した
• 仕事で知識を身につけて希望部署へ異動した
• 非正規社員から正社員になった
• 資格を取得して副業を始めた

キャリアアップを強く意識している方もいますし、逆に今のキャリアに満足している方もいらっしゃいます。経営者の方はキャリアアップを従業員に強制することはできませんが、キャリアアップの風土を作ることはできます。

キャリアパスとの違い

キャリアパスは、キャリアアップまでの道のりです。例えば「非正規社員から正社員になる」というキャリアアップの目標がある場合のキャリアパスは、

1. 正社員登用制度を確認する
2. 正社員登用に必要な知識の習得、業務遂行能力の向上を図る
3. 正社員登用試験・面接を受ける

という流れになります。キャリアアップを望んでいるにも関わらずなかなか前に進めない従業員がいる場合には、キャリアパスの作成を手伝ったり、キャリアコンサルティングの場を設けたりするなどしても良いでしょう。

キャリアアップ関連の助成金

助成金とは、主に厚生労働省が行う企業の雇用関係における取組を助成する制度です。要件にあてはまり、労働関係法令で違反していなければ申請が可能です。キャリアアップ関連の助成金として、「人材開発支援助成金」と「キャリアアップ助成金」があります。

人材開発支援助成金とは

事業主等が雇用する労働者に対して、職務に関連した専門的な知識及び技能を習得させるための職業訓練等を計画に沿って実施した場合に訓練経費や訓練期間中の賃金の一部等を助成する制度です。企業が取り組む内容によってコースがわかれており、2022年12月に創設された「事業展開等リスキリング支援コース」など9コースあります。

参考：人材開発支援助成金｜厚生労働省

キャリアアップ助成金とは

有期雇用労働者、短時間労働者、派遣労働者といった非正規雇用の労働者について、企業内でのキャリアアップを促進するため、正社員化、処遇改善の取組を実施した事業主に対して助成するものです。こちらも7コースありますが、なかでも「正社員化コース」は非正規雇用から正社員へ転換する際にぜひ活用したい助成金です。

参考：キャリアアップ助成金｜厚生労働省

助成金申請時の注意

助成金は年度ごとに予算編成され、制度施行が決定されます。昨年はあった助成金が今年は無いということもあります（人材開発支援助成金とキャリアアップ助成金は令和5年度もあります）。助成金申請時の注意点としては、申請期限を厳守するということがあげられます。キャリアアップ助成金の正社員化コースなどは申請スケジュールも長くなりますので、申請日を忘れないことが重要です。また、多くの助成金で出勤簿や賃金台帳などの提出が必要となりますが虚偽の内容による申請は絶対にしてはいけません。全額返金はもちろん、社名の公表や違約金の支払いが必要となる場合もあります。

最後まで読んで頂きありがとうございました。
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