マトリックス型組織とは、メリット・デメリット、導入企業を紹介

2022年12月25日 / 最終更新日 : 2022年11月09日

企業にとってどのような組織形態を採るかは事業目的を遂行するうえで重要な選択です。本記事では、マトリックス型組織や他3組織形態の紹介とメリット・デメリット、マトリックス型を今も採用している企業を紹介します。




 

マトリックス型組織とは

マトリックス型組織とは、事業部・職能・地域・顧客分野といった要素から2つを縦軸・横軸とし、組み合わせた形態の組織をいいます。マトリックス型組織は、従業員にとって2軸あることから、指揮命令系統が複数ある状態となり、2つの目的について同時に追求することができます。




 

メリット・デメリット

メリットとしては、従業員が2つの所属をもつため、そのことが、新たな発想や従業員の能力・資質向上に寄与するということがあげられます。

デメリットとしては、指揮命令が複数あるので従業員を混乱させないよう、指示内容に齟齬が生じないようにしなければならないことや、人事評価について少なくとも2方向からの視点があり、評価手続きが煩雑になる可能性があることなどがあげられます。




 

他の組織形態について

3つの組織形態の紹介をします。

 

ピラミッド(ヒエラルキー)型組織

最も想像しやすいであろう組織形態です。最高権限を持つ代表取締役がトップとなり、役員、管理職、一般社員…と底が広がっていきます。責任の所在や役割が明確でわかりやすいことと、指示が伝わりやすいというメリットがあります。ただし、指示が一本道であることから組織が大きくなると意思決定から行動までスピード感が損なわれるというデメリットもあります。

 

ホラクラシー型組織

ピラミッド型組織の対極にあたる、フラットな組織形態です。役割(職能)によってグループが作成され、社員は定められたルールに則って自律的に行動することが求められます。フラットな組織形態であるため、声をあげれば管理者に伝わりやすく、役割が明確で自律的に動くことを求められるのでやりがいを感じられるというメリットがあります。デメリットとしては、概念の理解と定着に時間がかかることと、役職ではなく役割や実績によって賃金の管理をするため人事評価が複雑化することがあげられます。

 

事業部制

事業ごとに事業部として組織を編成し、事業部に権限を委任することによって事業の意思決定をスピーディにすることを目的とした組織形態です。日本企業でも多く見られる組織形態で、事業拡大・多角化を進める組織に適していますが、事業拡大・多角化が行き過ぎると事業部を管理しきれず、本社部門と事業上層部との意思疎通がとれず迷走、事業管理が崩壊するという恐れがあります。




 

マトリックス型組織の例

海外と国内の企業をそれぞれ紹介します。

 

デュポン株式会社

事業部制を1920年台に導入したとされるデュポンですが、事業部を縦軸、国(グローバル)を横軸としたマトリックス型組織となっています。化学メーカーであるデュポンは研究開発を行う人材を資産としており、人的資源管理において重要な賃金制度や評価制度はグローバルで統一した施策がとられています。

 

花王株式会社

花王ではビジネスユニットと機能ユニットによるマトリックス運営が行われています。研究開発は商品開発研究と基盤技術研究に分かれますが、それぞれの専門領域のナレッジが柔軟に交わり、研究開発のスピードアップにも大きく貢献しているとしています。

 

各組織の特徴やメリット、デメリットを理解して自社の組織設計を行うことが重要になります。

 

最後まで読んで頂きありがとうございました。
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