プロダクトライフサイクルとは?基礎知識や注意事項を分かりやすく解説

2023年12月30日 / 最終更新日 : 2023年12月05日

プロダクトライフサイクルは事業戦略に欠かせない考え方の1つです。しかし、言葉を聞いたことがあっても、あいまいに理解している人も多いのではないでしょうか。

 

本記事では、プロダクトライフサイクルの基本的な知識や注意事項について分かりやすく解説しています。戦略立案の参考となりますので、ぜひ最後までご覧ください。


プロダクトライフサイクルとは

プロダクトには製品や成果物などの意味があり、ライフサイクルは人の一生を意味します。言葉を分解して分かるとおり、プロダクトライフサイクルとは製品の一生を表す考え方です。プロダクトライフサイクルには次の4つの周期があると考えられています。

 

  • 導入期
  • 成長期
  • 成熟期
  • 衰退期

 

製品を効果的に売り出していくためには、各周期の違いを理解していなければいけません。各周期では、市場の動きに異なる特徴があるからです。以下では、各周期の特徴について解説しますので、製品戦略の参考にお役立てください。

導入期

導入期は、製品を市場に投入した直後の時期を指します。製品をリリースしたばかりのため、世間への認知度も低く売上はほとんど見込めません。むしろ、製品認知のために広告や宣伝が必要となるため、利益以上にコストがかかってしまいます。

 

認知度を高めなければ、成長期や成熟期の利益を逃してしまう可能性もあるので、根気強い宣伝活動が必要です。

成長期

成長期は、製品の認知が広がり売上が上昇する段階です。広告宣伝費が抑えられていくため、徐々に利益が増大していきます。

 

一方で、製品の独自性や差別化にも着目していかなければなりません。認知拡大に伴って、競合他社の出現が増加するからです。

 

最大限の利益を獲得するためにも、他社を意識した製品改良や宣伝方法を検討する必要があります。

成熟期

成熟期は、認知が浸透し市場の拡大がおさまる時期です。多くの顧客が製品を入手しており、成長期に比べると売上も停滞していきます。各社の競争が減少し、市場が安定してくる時期ともいえるでしょう。

 

新規顧客の獲得が難しくなるため、リピーターを獲得するための活動が重要です。

衰退期

衰退期は、顧客のニーズが減少し市場規模も縮小していく段階です。高機能な新製品の登場などで、市場全体の需要が減少する時期ともいえます。売上が減少し利益も見込めなくなるため、事業の撤退も検討しなければいけません。

 

撤退を避けるためには、新たな価値を生みだす製品の開発や改良が必要となるでしょう。


プロダクトライフサイクルにおける2つの注意点

プロダクトライフサイクルは一般的な市場の動向を表しているため、事業戦略の立案に有効です。しかし、いくつかの注意事項も存在します。代表的な注意事項が「短期サイクル」と「非該当製品」です。2つの内容を以下で具体的にご紹介します。

サイクルが短い傾向にある

近年では、プロダクトライフサイクルの各周期が短期間で進行する傾向があります。インターネットやSNSの普及により、情報の拡散スピードが向上したからです。

 

製品認知の迅速化はもちろん、口コミなどにより品質の良し悪しも手軽に取得できます。そのため、衰退期への移行も早くなってしまうのです。

 

想定よりも早くサイクルが進行すると、各周期における戦略が実際の動向と一致せず、適切な戦略とはいえなくなってしまいます。戦略を過信せず、実際の市場には常に注意を払わなければいけません。

当てはまらない製品もある

プロダクトライフサイクルは製品の一般的な周期です。しかし、これに当てはまらない製品も存在します。

 

具体的には、消耗品やブランド品、専門性の高い製品などです。たとえば、食料品などの消耗品は時期に関わらず売れ続けます。注射器などの専門的な製品にもサイクルはありません。

 

戦略の立案時には、自社製品が当てはまるかを見極めなければいけないため、製品の特長をしっかりと理解しておく必要があります。


まとめ

プロダクトライフサイクルは、製品の市場動向を一般的に表した考え方です。各周期において適切な戦略を立てるために理解しておかなければいけません。しかし、サイクルに当てはまらない製品や進行のスピードには注意が必要です。自社製品についても理解を深め、実際の市場動向に着目して戦略を検討しましょう。


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