ポートフォリオ経営とは?PPMやメリット・デメリットを解説
2022年08月15日 / 最終更新日 : 2022年07月12日
ポートフォリオ経営とは?
ポートフォリオ経営とは、経営資源を効率よく分配し、事業の組み換えを行うことで企業の利益を最大化していく経営手法です。ポートフォリオマネジメントともよばれています。
収益の少ない事業を縮小あるいは撤退し、成長している事業に資本を投入し、事業再編を行っていきます。
プロダクト・ポートフォリオマネジメント
ポートフォリオ経営に欠かせないのが、プロダクト・ポートフォリオマネジメント(PPM)というフレームワークです。企業が手掛ける事業ごとに、収益や成長の見込みを分析し、経営の資源を最適に分配するために活用されています。
プロダクト・ポートフォリオマネジメントでは、市場の成長率とシェア(占有率)の高さによって、以下の4つに分類して分析していきます。
- 金のなる木
- 花形
- 問題児
- 負け犬
順に説明していきます。
- 金のなる木
市場の成長率は低く、市場シェアが高い事業です。競合が少なく、積極的な投資をしなくても低コストで安定した収益が見込めるため、他の事業へ投資する財源を確保できます。
- 花形
市場の成長率もシェアも高い事業です。競合が多く成長率が高いので、積極的な投資が必要になります。投資を継続することで、大きな収益につながる事業と考えるとよいでしょう。
- 問題児
市場成長率は高く、市場シェアは低い事業です。今後伸びる可能性はありますが、市場シェアが低いため、投資額が膨らみます。
- 負け犬
市場成長率も、市場シェアも低い事業です。収益につながらないので、事業整理を検討するべきでしょう。撤退すれば、他の事業に経営資源を分配することができます。
このように、プロダクト・ポートフォリオマネジメントの分析フレームワークは、経営資源の分配を合理的に決定するために役立ちます。
ポートフォリオ経営のメリットとデメリット
ポートフォリオ経営のメリットには、次のようなものがあります。
- 自社の事業を客観視できる
事業を立ち上げて間もないころは、思うように収益が上がらず撤退しようか迷うことがあるでしょう。
ポートフォリオ経営のメリットは、市場のシェアや成長率をもとに分析するので事業を客観視できることです。単純に「赤字だから」「黒字だから」という判断ではなく、分析結果をもとに事業の進退を判断できます。
- 経営資源を効果的に配分できる
事業に経営資金を投入するべきか、撤退を検討するべきかの判断がしやすくなり、今後伸びる可能性が高い事業に、経営資源を効果的に配分できるというメリットもあります。
一方、ポートフォリオ経営のデメリットには、以下のようなものがあります。
- 各事業同士の相乗効果が考慮されていない
それぞれの事業に対して分析していくので、各事業の相乗効果は考慮されていません。一見収益や成長が見込めない事業でも、他の事業に影響を与えている場合があります。「負け犬」を安易に撤退してしまうと「金のなる木」や「花形」に悪影響を与えかねないため、見極めが必要です。
- イノベーションは見込めない
商品やサービスの差別化して優位性を確保する側面は、ポートフォリオ経営には考慮されていません。これまでにない独創性のある事業を生み出したいのであれば、逆効果となってしまいます。
まとめ
このように、ポートフォリオ経営は、今まで気づけなかった事実が見えてくることもあります。ただし、万能な経営戦略ではなく、デメリットも理解しておくことが大切です。経営判断の一つの材料として、また、事業を客観的に見るための手段として上手に活用しましょう。
最後まで読んで頂きありがとうございました。
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