ティール組織とは?自律型組織を目指すために知っておくべき5つの組織体制を解説

2024年12月05日 / 最終更新日 : 2024年11月01日

企業の組織体制にはさまざまな形態があります。なかでも、近年注目されているのが「ティール組織」です。

 

ティール組織は所属するメンバーが自律的に行動する組織体制であり、ティール組織によって成功した事例も数多く存在します。

 

本記事では、ティール組織になるための段階的な5つの組織体制をご紹介します。企業経営の参考にもなりますので、ぜひ最後までお読みください。


ティール組織とは

ティール組織とは、上司や部下などの階層的な権力関係ではなく、対等な関係で構築される組織を意味します。

 

2014年に、フレデリック・ラルー氏の著書「Reinventing Organizations」で提唱され、世界中で注目されはじめました。著書では、ティール組織となるまでの組織体制を5段階に分類して紹介されています。具体的には次の5段階です。

 

  • レッド(衝動型)組織
  • アンバー(順応型)組織
  • オレンジ(達成型)組織
  • グリーン(多元型)組織
  • ティール(進化型)組織
レッド(衝動型)組織

レッド組織は、支配力のある個人が組織を管理する体制です。ひとりが支配者となり、恐怖心や忠誠心を利用して独占的に組織を管理します。

 

レッド組織の特徴は短期目線の行動です。目先の利益に捉われて長期的な計画や戦略を実行できない特徴があります。

 

また、個人の力に依存してしまうため、1度崩壊してしまうと同じ体制を再現できない側面もあります。

アンバー(順応型)組織

アンバー組織は、階層的に役割を与える組織体制です。上層から下層へと指示や管理が行われ、メンバーはそれぞれの役割を果たすために行動します。

 

上下関係が強く階層が固定化されるため、レッド組織と比較して組織力が向上するのが特徴です。個人への依存が減少し、長期目線の行動も可能となります。

 

しかし、メンバーは個々の役割を果たすために行動するため、組織全体の成長には繋がらない状況といえます。

オレンジ(達成型)組織

オレンジ組織は、階層的な体制を残しつつ環境の変化に柔軟に対応する組織体制を指します。成果をあげたメンバーが昇進するなど、組織内で流動的に変化する仕組みです。日本企業でも多く採用されている一般的な組織体制ではないでしょうか。

 

メンバーは成果をあげるために行動するため、組織内の活動も活発になります。一方、成果をあげるための生存競争や、過重労働が常態化してしまう危険性もあります。

グリーン(多元型)組織

グリーン組織は、オレンジ組織の体制から過重労働などを排除し、人としての尊厳を重視した組織です。個人の能力や多様性が尊重され、メンバーが主体的に行動できる特徴があります。

 

組織としての意思決定においてもメンバーの意見が尊重されるため、フラットな関係を築ける組織となるでしょう。

 

ただし、階層的な組織構造が残っているため、最終的な意思決定権は上層のメンバーが持つことになります。

ティール(進化型)組織

ティール組織は、一人ひとりのメンバーが組織のために行動し意思決定を行う組織体制です。上層からの指示で行動するなどの階層的な体制ではなく、メンバー全員が対等な立場で組織を運営します。

 

組織の目的を共有し、各メンバーが互いに関わり合いながら行動することで、組織全体としての成長が期待できます。


まとめ

ティール組織とは、メンバーが自律的に行動し組織が効果的に機能するための組織体制といえます。

 

しかし、ティール組織としての体制を構築するのは簡単ではありません。従来の階層的な体制とは異なる組織体制を構築する必要があるからです。

 

現状によってはティール組織に適さない組織もあるでしょう。むやみにティール組織を目指すのではなく、自社に適した組織体制から探してみるのはいかがでしょうか。


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