流動比率と当座比率の目安は?それぞれの違いや計算式についても解説
2022年09月30日 / 最終更新日 : 2022年08月05日企業の財務状況を把握するのに、様々な「比率」の見方を心得ておくことは極めて重要です。
今回は、「流動比率」と「当座比率」について説明します。一見似たような比率のように見えるかもしれませんが、両者には違いがあります。どちらも貸借対照表を見る上で重要な指標なので、本記事を参考に、正しく読み解けるようになりましょう。
流動比率
流動比率とは、流動負債に対して流動資産がどれくらいあるかを示すものです。
計算式は下記のとおりです。
流動比率(%)=流動資産÷流動負債
流動資産が多ければ多いほど流動比率の値も高くなり、流動資産の方が流動負債よりも多ければ、流動比率は100%を超えます。
流動比率の目安
一般的に流動比率が120%程度あれば健全な企業ということができるでしょう。
流動比率が高いと、安全性が増す一方、資産を効率的に事業に活かせていない可能性がありますし、逆に流動比率が100%を切っている状態であれば、財務状態に危険信号が灯っている証拠になります。
当座比率
当座比率とは、流動負債に対して当座資産がどれくらいあるかを示すものです。
当座資産というのは、流動資産から棚卸資産(商品在庫など)を除いたもののことで、現金化しようと思えばすぐに現金化できる資産をピックアップしたものです。
計算式は下記のとおりです。
当座比率(%)=当座資産÷流動負債
当座資産が多ければ多いほど当座比率の値も高くなり、当座資産の方が流動負債よりも多ければ、流動比率は100%を超えます。
当座比率の目安
当座資産はすぐに現金化できる資産のため、当座比率については100%を超えていれば健全な企業ということができるでしょう。
こちらも流動比率と同様、当座比率が高ければその分安全性が増す一方、資産を効率的に事業に活かせていない可能性がありますし、逆に当座比率が100%を切っている状態であれば、財務状態に危険信号が灯っている証拠になります。
流動比率と当座比率の使い分け
では、流動比率と当座比率はどのように使い分ければ良いのでしょうか?
上記で説明したように、流動資産と当座資産の違いは「棚卸資産(売れることで初めて現金化できる資産)が含まれるかどうか」という点のため、基本的には流動比率よりも当座比率の方が、値が小さくなります。
棚卸資産の割合が多いような企業の健全性をチェックする場合は流動比率を使った方が良いですし、より厳しく財務安全性をチェックしたい場合は当座比率を使った方が良いでしょう。
流動比率と当座比率はどちらも確認しよう
また、できればどちらかの指標だけを使い続けるのではなく、どちらも確認しておくのが賢明です。
流動比率のみではキャッシュフローの安全性を見落としてしまうかもしれませんし、当座比率のみでは将来の売上に繋がる棚卸資産をキャッチアップできません。
まとめ
流動比率と当座比率の目安と、それぞれの違い、計算式について解説してきました。流動比率と当座比率について理解が深まりましたでしょうか?
それぞれ100%を超えることで、資産が負債よりも多い状態を表していますが、流動比率と当座比率では分子が異なり、当座比率には棚卸資産が含まれない分、流動比率よりも値が小さくなります。
流動比率と当座比率、どちらも理解して財務健全性のチェックに活かしてみてください。
最後まで読んで頂きありがとうございました。
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