債務償還年数を知れば融資に有利?計算方法や基準を解説
2023年02月20日 / 最終更新日 : 2023年01月20日債務償還年数は経営者にとって軽視できない指標の1つです。銀行からの融資に大きく影響するため企業の経営に欠かせません。今回は債務償還年数の計算方法や年数の基準についてご紹介します。
債務償還年数とは
債務償還値数とは借入れした資金を何年で返済できるかを示す指標です。返済期間の目安になり「償還力」とも呼ばれます。主に、融資をおこなう銀行が企業の返済能力を判断する材料として利用されます。自社の企業分析や設備投資の判断材料としても重要な指標です。
償還年数は期間が短いほど優良と考えられます。借入れに対する利益が大きく安定的な返済が見込めるからです。一方で、期間が長い場合には未返済のリスクも大きいため借入れが認められない可能性も高まります。
債務償還年数の計算方法
債務償還年数の計算方法は融資する銀行によっても考え方が違います。算式の違いにより算出される年数が異なる場合もあるでしょう。いずれにしても、企業の経営を実態に近い状態で把握するために計算式を用いて算出します。今回は一般的な計算方法である以下の計算式についてご紹介します。
計算式:債務償還年数=借入金÷(経常利益+減価償却費-法人税等)
借入金
借入金は融資をうけた資金の額です。純粋な借入額だけでなく利子も含めて計算します。返済途中で債務償還年数の算出が必要な場合は残額を当てはめて計算すると良いでしょう。
経常利益
経常利益とは企業が活動するうえで継続的に得ている利益のことです。「営業利益+営業外収益-営業外費用」で算出できます。継続的な利益としては本業のほかにも、所有している不動産の賃料や配当金なども含まれます。一方で、不動産の売却などで一時的に得た利益は含まれません。一時的な利益を含めてしまうと企業の経営状況を正しく判断できないため、債務償還年数には経常利益が用いられます。
減価償却費
減価償却費とは設備投資などにかかった費用を耐用年数に応じて分割した費用です。例えば、20万円で購入したパソコンを4年で減価償却した場合は、20万円を4年で分割するため「20÷4=5」となり毎年5万円が減価償却費となります。経常利益と同様の理由で、設備投資費が1年にまとめて計上されると経営状況が正しく判断できないため減価償却費が用いられます。
法人税等
法人税は企業活動により得た所得に対して課される税金です。ただし、所得は単純な企業の利益ではありません。法人税法による所得(益金-損金)に対して課税されるため、算出時には注意が必要です。
債務償還年数の基準
債務償還年数に基準はありません。融資をうける銀行や経営している事業によっても必要資金が異なるからです。とはいえ、一般的な目安は存在します。一般的な目安は10年です。借り入れた資金を10年で返せなければ過剰な融資と判断されてしまいます。融資する側も返済能力を重視しますので、安定的に利益を得て返済できるのかリスクを確認したいのでしょう。
ただし、債務償還年数はあくまでも目安でしかありません。10年を過ぎてもペナルティがあるわけではないので、無理のない返済計画をたてましょう。
まとめ
債務償還年数は企業分析や融資判断に必要不可欠な指標です。正しく理解できれば企業運営の強みにもなるでしょう。今回の記事をぜひ自社の経営に役立ててください。
最後まで読んで頂きありがとうございました。
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