資金繰り表(その1)資金繰り表の意義と構成
2021年03月05日 / 最終更新日 : 2020年12月30日中小企業診断士の山田盛史です。
中小企業の経営者の皆さんは自社の資金繰り表を作成されていますでしょうか。
全く作成していないという事業者様や、月ごとの取引先への支払いのみ一覧にして管理しているという事業者様など様々だと思います。
月々の資金繰りを管理する上で資金繰り表はとても重要な資料になります。
前半と後半の2回に分けて、資金繰り表について解説します。前半となる今回は資金繰り表の内容や構成について解説します。
資金繰り表とは
月々の入金と出金がそれぞれいくらになるかを示した表です。
ひたらく言うと子どもが付けるお小遣い帳のようなイメージです。
月初の現預金がいくらあり、月中でいくら入出金があり、その結果月末の現預金がいくら残るか。という内容を書き示した表です。
金融機関から資金繰り表の提出を求められたという経営者様も多いと思います。
資金繰り表を見ることで過去の資金繰りや今後の資金繰りの見通しを立てることができます。
事業者様によっては月の取引先への支払いのみ一覧にして管理しているというケースもあると思います。月の支払いには、取引先への支払い以外にも社員の給与や家賃支払い、借入金の返済、税金の支払いなど様々なものがあります。税金支払は毎月発生するものではありませんが、資金繰りに与える影響が大きいので、いつ頃いくらくらいの支払いが発生するかを把握しておくことは重要な事です。
そのため、後述する資金繰り表のフォームを参考に資金繰り表を作成して資金繰りを管理されるのが望ましいと言えます。
資金繰り表はエクセルで簡単に作れる
資金繰り表はエクセルで比較的簡単に作れます。とはいえ、最初は慣れるまである程度時間がかかるかもしれません。また、慣れないうちは数値が合わないということもしばしば起こると思いますが、「習うより慣れる」のが早いと言えます。まずは手を動かして実際にやってみることが重要だと思います。
まず、資金繰り表のフォーマットはネットで調べれば沢山フォーマットが出てきます。金融機関によっては資金繰り表のエクセルフォーマットを無料でダウンロードできるようにしているところもあるので、色々と調べてみると良いでしょう。
資金繰り表のフォーマットや項目
般に資金繰り表とは以下のようなフォーマットになっています。
上記は弊社が使っているフォーマットです。(数値や項目は一部変更しています)
主に月初の現預金を示す項目(上図でいう前月繰越)があり、次に事業で発生する収入と支出(営業収支)、設備投資などの投資活動で発生する収入と支出(投資支出)、借入金の追加や返済などの財務活動で発生する収入と支出(財務収支)という3つの項目に分けて収入と支出を表示します。
そして、最後に月末に残る現預金の項目(翌月繰越)が来ます。資金繰り表によっては営業収支が経常収支という言葉になっていたり、投資支出の項目がなかったりとフォーマットによって多少の違いはありますが概ね、上記のようなフォーマットとなっています。
次回は資金繰り表の作成方法について解説していきます。
最後まで読んで頂きありがとうございました。
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