職能別組織とは、13年間のうちに二度組織改編した事例
2021年03月30日 / 最終更新日 : 2020年12月30日組織にはいくつかの類型があります。今回は代表的な職能別組織、事業部制組織について解説します。
職能別組織とは
組織管理モデルの1つで、研究開発・製造・営業・人事・経理といった会社の機能別に部署やチームを形成する形式です。機能別組織とも呼ばれることもあります。
職能別組織の特徴は3つ挙げられます。
1. 個々のノウハウ形成が早く知識が部署内で共有されやすい
2. 部署間の連携が難しい
3. トップマネジメントの指揮命令が素早く伝わる
トップの配下に各職能部署があるため、トップマネジメントの指揮命令や企業理念といたものは早く伝わりやすい形ですが、実際の判断を行う際には部署間を横断して調整や意思疎通が必要なため、経営判断は遅いとされています。また、それほど規模の大きくない会社だと良いのですが、組織が拡大してくるとトップマネジメントの負担が非常に大きくなります。
事業部制組織との比較
職能別組織との対比でよく用いられるのが事業部制組織です。事業部制組織は、会社の事業・製品・事業所などで組織だて、事業部として管理します。ピラミッド型の組織である点は職能別組織と共通です。
職能別組織ではトップマネジメントが指揮命令を行っていましたが、事業部制組織では事業部長に事業部の権限を与えられるため、経営判断は早いとされています。
このことから、職能別組織は集権的で事業部制組織は分権的だと言えます。
2つの向き不向きですが、一般的には事業や製品が少ない会社は職能別組織が向いており、事業が拡大したり複数事業所があったりするような会社は事業部制組織が向いているとされています。
国内では大企業の多くが事業部制をとっていますが、その事業部制の中で職能別組織のように組織たてられているようです。
職能別組織の事例~Panasonic株式会社(松下電器産業株式会社)
家電のパナソニックは2000年から2013年までに二度の組織改編を行っています。元々事業部制組織を取り入れていたパナソニックでしたが、1990年台後半に国内家電のデジタル化が急速に進み、経営の厳しい局面となります。このとき、100を超える事業部があり部署間で事業の重複も見られたといいます。
そして2001年に松下電器の時代から続けられた事業部制が廃止され職能別組織が導入されることとなりました。
一時は業績が回復しましたが、職能別に組織を再編したため、製造と調達・購買と営業などが分かれたことで、市場のニーズを見誤り2012年には同社史上最大の赤字を計上しました。これを受け、パナソニックは2013年に再び事業部制を取り入れ事業再編を行いました。2014年以降、営業利益に赤字計上はされていません。
事例からわかること
先ほどの事例では、どちらの組織管理モデルが優れているかということではなく、定期的に大局観をもって組織管理モデルを見直すことが重要だとわかります。先ほどの例でいえば、別部署で実は同一の事業に取り組んでいたり、経営課題の要因の1つが職能別組織としたことであったりということは、組織管理モデルを点検しなければ判明されなかったことでしょう。
ちなみに、同社はまた新しい会社体制(ホールディングス化)となることを2020年11月に公表しました。社会情勢が大きく変化したり、会社の拡大を図ったりする際にも、定期的な見直しと同様に組織管理モデルを再考することが必要です。
最後まで読んで頂きありがとうございました。
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