利益はあるのにお金が足りない理由...資金繰り対策、できていますか?

2021年12月15日 / 最終更新日 : 2021年11月12日

はじめに

日々の経営には欠かせない売上や経費の管理。

帳簿上では利益が出ているのに、手元には現金が少ないという経験をしたことはありませんか?

損益の管理だけでなく、手元の現預金の流れを計算するキャッシュフローの管理も重要です。

この記事では、

・資金繰りがうまくいかない理由

・資金繰りがうまくいかないときの対策

を解説していきます。


資金繰りが悪化する理由

手元の現預金が乏しくなってきた、そんな時は原因を解明することが最優先です。

まずは、資金繰りが悪化する理由について確認しておきましょう。

①売上が減少

以前と比べて売上が減少したとき、資金繰りは悪化します。

手元に入ってくる金額が少ないにもかかわらず、出ていく費用が以前のままだと、手元の現預金は減少してしまいます。

しかし、売上の減少は経営をしていれば直面する可能性の高い出来事。

売上の一時的な減少に耐えられるくらいの現預金を手元に持っておくことが理想です。

②費用が増加

以前と比べて費用が増加したとき、資金繰りは悪化します。

手元に入ってくる売上が変わらないにもかかわらず、出ていく費用が以前のままだと、手元の現預金は減少してしまいます。

日頃から必要最小限の経費で商売を回していくことは資金繰り対策に有効です。

 

③売掛金の回収が遅い、または未回収

売掛金の回収が遅かったり、未回収のままの売掛金があるとき、資金繰りは悪化します。

入金がまだでも、帳簿上は売上として計上しておく売掛金。

帳簿では利益が出ているのに現金がない、ということが発生する原因のひとつです。

 

④過剰な設備投資・規模拡大

設備投資や規模拡大で一時的に大きな出費が発生するとき、資金繰りは悪化します。

これらは最初に投資した大きな費用を、後からゆっくり回収していくための行動です。

大きな費用が発生する決断は、投資の効果が出てくるまでに、経営に支障が出るほど手元の現預金が少なくならないかを充分に考慮する必要があります。

 

⑤過剰な商品在庫

売れずに残っている商品の在庫が多い場合も、資金繰りは悪化します。

仕入の時に現預金が商品に変わるため、商品の形のまま手元に置いておくと、その分手元の現預金は少ないままになってしまいます。

⑥早期支払

経費を支払うまでの期間が短いと、資金繰りは悪化します。

手元に入金がある前に、経費の支払いのために現金が出ていってしまうと、一時的に手元の現預金が少ない状態になってしまいます。

 

⑦借入金の返済

借入金がある場合、その返済によっても資金繰りは悪化します。

借入金の返済は、帳簿上経費には計上しません。

帳簿で出た利益のなかから返済を行っていくことになるため、返済財源を確保できるくらいの利益を上げることが必要です。



 

資金繰りを改善させるための具体的な方法

それでは、資金繰りを改善させるにはどのような行動をとれば良いのでしょうか。

具体的な方法を解説していきます。

①キャッシュインの早期化、安定化

まずは、現預金の入金を早くして、安定させることが重要です。

②売掛債権の早期回収・未回収をなくす

帳簿上は売上として計上されるにもかかわらず、実際には現金が手元に入ってこない売掛金。

その手元に入ってこない期間を短くすることが、資金繰りの改善に役立ちます。

また、未回収の売掛金がある場合は、早期に回収するとキャッシュフローが改善します。

③キャッシュアウトの繰り延べ

現預金の出金を遅くすることも、資金繰りの改善に役立ちます。

④支払期日の条件を改善

現在の支払サイトが、売上の回収に比べて早すぎるということはありませんか?

その場合、売上と同じくらいの期間にそろえると、一時的に資金繰りの悪化が改善します。

⑤資産の流動化

資産とは現預金が姿を変えて手元にあるもの。それを現預金に戻してあげることを流動化と言います。

⑥固定資産の売却

車や機械など、固定資産がある場合は、それを現金化すると資金繰りの改善に役立ちます。

もしあまり使っていないような固定資産がある場合は、売却して現金化するのも一つの手です。

また、売却してリースのものを使うなどすれば、一時的にキャッシュフローが改善します。

⑦在庫処分

売れずに残ったままの在庫を売却することも、資金繰りの改善に役立ちます。

もし今後売れる見込みのない在庫を抱えている場合は、金額が低くても現金化してしまうとキャッシュフローが改善します。

⑧借入で資金調達

金融機関から借入を行うと、キャッシュフローが改善します。

ただし借入を行うと、それ以降は返済の負担が増えることになります。

場当たり的な借入はせず、その借入金を元手に事業を行い、返済ができるかどうかを考えて決断するのがよいでしょう。


おわりに:資金繰り表を作ってキャッシュフロー予測を可視化してみよう

損益の計算とは別に、現金の出入りを記入する資金繰り表というものがあります。

キャッシュフローの改善を考えるとき、資金繰り表を作って数字に落とし込みながら考えると分かりやすいので、おすすめです。

最後まで読んで頂きありがとうございました。
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