新テレワークガイドライン、経営者が確認すべきことは?

2021年10月30日 / 最終更新日 : 2021年09月28日

経営者の皆様はテレワークガイドラインをご存知でしょうか。ガイドラインの原型は2004年に策定されており、時代背景とともに改定がなされてきています。今期は新たに改定された新テレワークガイドラインについて解説します。



ガイドライン、これまでの経緯

2021(令和3)年3月、「テレワークの適切な導入及び実施の推進のためのガイドライン」(以降、「新テレワークガイドライン」)が厚生労働省より公表されました。

テレワークに関するガイドラインは、もともと2004年3月に策定され、次のような経緯を辿ってきました。

 

  • 2004年3月策定「情報通信機器を活用した在宅勤務の適切な導入及び実施のためのガイドライン」
  • 2008年7月改定(同タイトル)
  • 2018年2月改定「情報通信技術を利用した事業場外勤務の適切な導入及び実施のためのガイドライン」
  • 2021年3月改定「テレワークの適切な導入及び実施の推進のためのガイドライン」

 

2018年の改定までは、基本的に在宅勤務を対象としていましたが、現在はテレワーク全般(在宅勤務・サテライトオフィス勤務・モバイル勤務等)を対象としています。



こんなに変わった新テレワークガイドライン

旧ガイドラインは、長時間労働を防止することに重きが置かれていました。新テレワークガイドラインでは、労働時間管理の考え方やテレワークにおける人事評価制度、テレワークに要する費用負担の取扱い、テレワークのルール策定など全面的に一新されています。

 

旧ガイドラインと新テレワークガイドラインの項目

旧ガイドライン 新テレワークガイドライン
1.         趣旨

2.         労働基準関係法令の適用及び留意点

3.         その他テレワークの制度を適切に導入及び実施するに当たっての注意点

4.         テレワークを行う労働者の自律

1.         趣旨

2.         テレワークの形態

3.         テレワークの導入に際しての留意点

4.         労務管理上の留意点

5.         テレワークのルールの策定と周知

6.         様々な労働時間制度の活用

7.         テレワークにおける労働時間管理の工夫

8.         テレワークにおける安全衛生の確保

9.         テレワークにおける労働災害の補償

10.     テレワークの際のハラスメントへの対応

11.     テレワークの際のセキュリティへの対応

 

厚生労働省:新テレワークガイドライン

https://www.mhlw.go.jp/content/000759469.pdf

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/shigoto/guideline.html



テレワークを導入する経営者が確認すべき事項は?

テレワークを導入している/する、経営者の方が確認した方が良い事項について説明します。

 

①テレワークの対象者に不合理な待遇差はないか

正規雇用労働者と非正規雇用労働者といった雇用形態の違いのみを理由とした待遇差は禁止されています。もし、正規雇用労働者のみにテレワークを許可する場合、合理的な理由が求められます。

 

②テレワークに要する費用負担の課税・非課税を確認しているか

国税庁に「在宅勤務に係る費用負担等に関するFAQ」が掲載されています。内容をざっくりお伝えすると、実費精算的なものは非課税で、テレワーク手当などとして一律5,000円を支給するといったものは課税対象となります。

在宅勤務時の光熱費や通信費はFAQ内の計算方法で課税分と非課税分に按分できることとなっています。

国税庁:在宅勤務に係る費用負担等に関するFAQ

https://www.nta.go.jp/publication/pamph/pdf/0020012-080.pdf

 

③労働時間管理は適切か

テレワークでは出退勤の現認ができないため、労働時間の管理方法をあらかじめ明確にしておくことが推奨されています。勤怠のWEBシステムを利用しても良いですし、始業終業のタイミングで上司に電話・メールを送る方法が考えられます。そこにパソコンの起動時間記録等の客観的記録があるとなお良いでしょう。

 

④就業規則の整備は必要か

新テレワークガイドラインでは、労使間で協議したテレワークのルールを就業規則に定め周知することが望ましいとされています。例えばテレワークの費用負担で新しいルールを決めた場合や、テレワークにあわせて変形労働時間制やフレックスタイム制を導入する場合は就業規則の改定と労働基準監督署への提出が必要です。

厚生労働省:テレワークモデル就業規則~作成の手引き~

https://telework.mhlw.go.jp/wp/wp-content/uploads/2019/12/TWmodel.pdf

 

コロナ禍でテレワークを導入せざるを得なくなった会社も多々あると思います。テレワークで問題が発生する前に、新テレワークガイドラインを見て自社の取り組みをチェックしてみましょう。

 

最後まで読んで頂きありがとうございました。
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