VRIO分析を取り入れ自社の強み・弱みを可視化する
2021年11月20日 / 最終更新日 : 2021年10月29日経営戦略を策定する際に、自社が抱える経営資源にどのような強み・弱みがあるのか把握しておくことは大切です。今回ご紹介するVRIO分析を活用することで、多角的な観点から経営資源の競争優位性や希少性、持続可能性を探っていくことができます。
VRIO分析とは?
VRIO分析とは、企業が抱える経営資源の強みや弱みを見つけ出し分析する経営手法のことです。米国の経営学者であるジェイ・B・バーニーによって提唱され、事業戦略策定に用いられるようになりました。
- 経済的価値(Value):経営資源が企業の業績拡大に影響を与えているか
- 希少性(Rarity):経営資源は競合と比較して希少性があるか
- 模倣可能性(Imitability): 経営資源を持たない他社と比較して、コスト面での優位性があるか
- 組織(Organization):経営資源を組織的に活用できる仕組みが整えられているか
VRIO分析の頭文字となる上記の4つの観点に、自社の強みと弱みが当てはまるかどうかをYESかNOで振り分け分析していきます。分析はVRIOの順に行います。
NOがついた観点はYESに変えていくための見直しが必要となります。全てにNOがついてしまうと、競争優位性・希少性がなく他社と競い合っていくことは困難なため、事業として成り立っていない可能性についても考えなければなりません。
4つの観点全てに自社の経営資源が当てはまれば、その経営資源は持続性・競争力を兼ね備えた大きな強みであると言えるでしょう。
VRIO分析を活用するメリット
VRIO分析を行うことで、自社の持つ経営資源の強みと弱みを再確認することができます。競合他社と差別化する上で、希少性や競争優位性がどのようなところにあるのかを把握しておくことは重要です。
VRIO分析は一覧表とフローチャートいずれかを作成して行うことが一般的ですが、一覧表を作成することで詳細かつ情報量の多い分析が可能となります。他方で、フローチャートを用いると視覚的に簡略化され分かりやすいことがメリットです。そのため多くの情報を把握できないというデメリットもありますので、情報量や状況に応じ使い分けると良いでしょう。
マクドナルドはVRIO分析の4要素を全てクリアしている
ここでマクドナルドを例に挙げてVRIO分析を行ってみます。まず、経済的価値(Value)という観点では、世界的に有名なハンバーガーチェーンということもあり知名度では他を寄せ付けません。次に希少性(Rarity)という観点からは、ハンバーガーチェーン随一の歴史を誇ります。模倣可能性(Imitability)という観点では、圧倒的な知名度と歴史を得るためには長い時間がかかるため、模倣困難であると言えるでしょう。最後に組織(Organization)という観点からは、どの店舗でも美味しさや安さという強みを持った商品を提供できています。従ってマクドナルドはVRIO分析における4つの観点全てをクリアする優良企業であると言えます。
まとめ
VRIO分析を経営に取り入れることで、自社の強みと弱みが可視化できます。また、安定経営を保つためにも自社の弱みにフォーカスしてリスクマネジメントを行うといった活用方法もあります。市場において競争優位性と持続性を保ち続けるためには、一度ではなく定期的にVRIO分析を行い現状の見直しをすることが必要となってくるでしょう。
最後まで読んで頂きありがとうございました。
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