財務会計の目的は?機能や効果についても解説

2021年08月20日 / 最終更新日 : 2021年08月10日

企業における会計の1つに「財務会計」があります。本記事では、「財務会計」の特徴・目的を踏まえ、その機能や理論構造について解説していきます。

財務会計とは

まずは、財務会計の概要について見ていきましょう。

財務会計の目的

財務会計は、貸借対照表・損益計算書・キャッシュフロー計算書などの財務諸表を用いて、企業の利害関係者にあたる株主や債権者などに対して、経営状態を報告するために用いられます。外部に共有する会計のため、他の企業との公平性を期すために明確なルールが存在しています。

管理会計との違い

管理会計との違いは、「誰が見るか」という点です。管理会計は、経営者や企業の内部で、より良い経営のために用いられる会計で、企業ごとにその形態が異なります。それに対して財務会計は、株主や債権者等、企業の外部に報告をするための会計で、会計には明確なルールがあります。


財務会計の機能

財務会計は、企業の利害関係者が、その企業を判断する重要な側面を持っています。ここでは、財務会計がもたらす機能について見ていきましょう。

情報提供機能

財務会計の機能としてまず挙げられるのが、「情報提供機能」です。情報提供機能とは、その名の通り、「利害関係者に対して、財務諸表を用いて企業の現状について報告をする」という機能のことを指します。投資家や銀行にとって、投資や貸付を行う時に、その企業の財政状態がどんな状況なのかを把握するために、財務会計は非常に重要な役割を果たします。

利害調整機能

財務会計の2つ目の機能は、「利害調整機能」です。利害調整機能とは、「株主や債権者などの利害関係者に対して、配当計画などを明確に公開し、利害を調整する」という機能のことを指します。”経営者と株主”や”株主と債権者”などで利害が不一致になりやすいため、財務会計を用い、客観的なルールのもとに計算された財務諸表を公開することによって、利害の調整を図る、というねらいがあります。


財務会計の効果

ここでは、財務会計がその機能を果たすことにより、利害関係者に対してどのような効果があるのかを見ていきましょう。

債権者(銀行など)

企業に貸付をする銀行などの債権者にとっては、貸したお金が実際に返済されるまで、資金がどのように運用されるのかを予測しやすくする効果があります。債権者にとって、貸付の判断をするのに必ず使用するのが、財務会計によって作成された財務諸表です。財務諸表により、利率などの貸付条件も変わってきます。

投資家・出資者

企業に投資をする株主などの投資家にとっては、投資を検討している企業の将来性を評価しやすくする効果があります。複数の企業の財務状況を見て、どの企業に投資をするかを決める投資家にとっては、客観的に統一されたルールで計算がされている財務諸表は、投資先を決める上で非常に重要な役割を持っています。

取引先

実際に事業を行う上でやり取りがある取引先にとっては、信用度の証明という効果があります。財務的に問題のある企業と取引を行うと、売上が回収できないリスクも増加しますので、取引をする相手が財務的にそれなりに高い安全性を持っているかを判断するために、財務諸表が用いられることもあります。


まとめ

今回は、財務会計の目的や機能、効果について解説してきました。財務会計によって作成された財務諸表は、管理会計とは異なり、企業外部の利害関係者に対して、とても有用な書類です。自社で作成する時だけでなく、自らが別の企業の利害関係者となる際にも、積極的にチェックしてみてくださいね。

最後まで読んで頂きありがとうございました。
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