電子契約サービスを活用した当社の生産性向上事例

2019年03月06日 / 最終更新日 : 2019年03月06日

こんにちは、中小企業診断士の山田盛史です。

最近当社では、契約書の締結に電子契約サービスを活用しています。
本日はそんな電子契約サービスを使った生産性向上の事例をご紹介します。


契約書のやり取りはなかなか面倒

新しい取引先ができたり新しい取引が始まったりすると契約書を取り交わす訳ですが、この契約書のやり取りはなかなか面倒です。
最低でも以下のような手順を踏むことになります。

①契約書案を作成する

②双方で契約書案の文言等の確認をする

③契約書を印刷・製本して押印する

④押印した契約書を封入、先方へ郵送する

⑤先方にも契約書への押印をしてもらい返送してもらう

これら以外にも契約によって印紙を貼ったり、押印後に契約書内容の不備等があれば再度修正して差し替えたりと契約書の締結は日常的な業務であるため、それなりに時間を割いている業務の1つであるといえます。

当社でも最近契約書の取り交わしが多く煩雑になっています。
そのため契約書締結業務を効率化すべく、電子契約サービスを使っています。


業務フローの中で重要業務と非重要業務を分ける

効率化・省力化を考える上では、業務を重要なものとそうでないものに分けて考えることが重要です。
上記業務フローでいうと①と②は重要ですが、③と④は単に事務処理なので重要な業務ではないと定義できます。
なお、⑤は先方で行って頂く作業なので自社の業務フローではありませんが契約書を回収し保管する等の作業は自社の業務として発生するでしょう。

電子契約サービスを使うことで主に③と④の業務を省く事ができるという訳です。


電子契約サービスのメリット

電子契約サービスを使うとWEB上で契約の締結をします。
電子契約サービスといっても色々なサービスがありますが当社ではクラウドサインを使っています。

サービスの利用によって①業務効率化・コスト削減、②印税が不要になる、という2つのメリットをうけられます。

①業務効率化・コスト削減
WEB上で契約の締結をするため、従来の「印刷」「製本」「封入・郵送」という要素がなくなり業務効率化・コスト削減を図ることができます。

具体的なコスト削減のシミュレーションは以下の通りです。


まず、サービス利用前は1件あたり3.5時間掛かっていたとします。
※実測値ではなく推計値です。

サービス利用によって「印刷」「製本」「封入・郵送」の作業は必要がなくなるため1件あたり1.5時間に短縮されます。

月に5件の契約をするとした場合、それぞれの総所要時間の差は10時間となり、月に10時間の作業時間の短縮が可能になります。

東京都の最低賃金985円(執筆時点)を掛けて時間を金額に換算すると月あたり9,850円の削減が可能になった事になります。
業務量が多い事業者様であればさらに効果は高いでしょう。

一方で、電子契約サービスの利用料は無料です。
※サービスの内容やプランによって利用料は変わるため、すべての事業者様が無料で利用できるという訳ではありませんのでその点はご留意ください。

また、厳密には郵送代や印紙代も削減され、さらに先方での押印、封入・返送という作業もなくなるため、それらを加味するとより削減効果が見込めます。

②印紙が不要になる
「印紙税法上の課税文書とは書面の文書をさし、電子文書は含まれない」と解釈します。
電子契約は書面の文書を作成しない電子文書の交換により成り立つ契約のため印紙税はかからないというわけです。

以上、生産性向上事例でした。
ITを活用して生産性の向上を図るというのはすべての企業において有効だと思います。
みなさまの事業においても業務効率化の余地がないか改めて考えるみると新たな発見やアイデアが浮かんでくるかもしれません。


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