組織を根本から改善するBPRとは?メリットやデメリット、進め方について解説

2023年10月10日 / 最終更新日 : 2023年10月02日

BPRは組織を改革する取り組みです。近年では少子高齢化の影響やIT技術の発展により、組織の改善に注目が集まっています。従来の組織構造では、人材不足や効率化に対応できなくなってしまうからです。

 

しかし、取組み方法やリスク対策などを理解していないと、大きな損失へと繋がりかねません。今回の記事では、BPRのメリットやデメリット、基本的な進め方について解説しています。ぜひ最後までご覧ください。



BPR(ビジネスプロセス・リエンジニアリング)とは

BPR(ビジネスプロセス・リエンジニアリング)とは、Business Process Re-engineeringを省略した言葉です。組織内の制度や業務を根本から改善する取り組みを表します。分かりやすく表現すると「組織改革」です。

 

一般的な組織の構造は、担当業務に専念するため部署ごとに分かれて専門業務をおこないます。

 

しかし、専門性を過度に重視すると、部署間の連携がスムーズに進められず、結果的に企業全体が非効率となってしまいます。

 

部署を横断するたびに発生する、書類の再確認や製品の再検証などが代表例です。BPRは、このような非効率を改善するための取り組みといえます。

 

一方、BPRと勘違いして使われる言葉が「業務改善」です。業務改善は特定の業務における部分的な改善を意味します。業務工程は変更せず、人材や資源、方法などを変更する取り組みです。

 

企業全体の根本的な改善であるか、業務業務の部分的な改善であるかの違いがあります。BPRの一部が業務改善と認識しておくとよいでしょう。



BPRに取り組む4つのメリット

BPRにはさまざまなメリットが存在します。改善への取り組みにより副次的な効果が生まれるからです。代表的なメリットとして、次の4つが挙げられます。

業務の適正化 社内構造の見直しにより無理や無駄を改善できるため、適切な状態で事業を運営できます
意思決定の迅速化 適正化によりスムーズな状況把握が可能となり、経営判断のスピードアップが可能です
満足度の向上 適正化により従業員の負担が減少するため満足度が高まります。くわえて、負担軽減による品質向上が期待できるため、顧客満足度の向上にもつながります
コスト削減 適正化により、残業代などの金銭コストだけでなく、無駄な作業に取り組む人材コストや時間コストの削減も望めます


BPRをうまく進められると、多くのメリットを得られます。自社、従業員、顧客との最良な関係が築けるでしょう。関係者の満足度向上が期待できるBPRに取り組まない手はありません。



BPRにおける2つのデメリット

BPRにはメリットがある一方でデメリットも存在します。組織構造を根本から変える大掛かりな取り組みとなるからです。デメリットには以下の2つが挙げられます。

計画の長期化 既存体制を変更するため、数カ月から数年の期間を要します。完了前に中止すると、労力が無駄になり現場の混乱だけが残ってしまうため注意が必要です
従業員への配慮 大きな変化となるため従業員にも負担がかかります。離職を防ぐためにも、改革目的の共有や意見の尊重など、従業員への配慮は欠かせません

事前にデメリットを理解しておけば、事前準備が可能です。自社と従業員の負担軽減のためにも、十分な事前対策を講じておきましょう。



BPRを進める5つの手順

BPRの進め方は、企業の目的や状況によっても異なります。しかし、基本的な流れに大きな違いはありません。具体的には次の5つの手順で進めます。


最も重要なポイントは手順1です。手順1で明確な範囲が決まっていなければ、あれもこれもと、改善不要な業務まで変更してしまう危険性があります。

 

時間と労力を費やして改悪してしまっては元も子もありません。可能な限り具体的な目標と範囲を設定する必要があります。

 

また、手順5についても慎重な対応が必要です。評価が適切でなければ、今後の改善においても、想定していた状況と異なる結果を招く恐れがあります。目標に沿った評価ができるように心がけましょう。




 

まとめ

BPRは組織改革をおこなう非常に有効な方法です。社内構造の再構築により、業績アップや満足度向上の効果が期待できます。しかし、デメリットも忘れてはいけません。

 

BPRを成功に導くためにも、事前準備を怠らず、基本的な手順に従って進めてみてください。改革の成功による御社の発展をお祈り申し上げます。

 

最後まで読んで頂きありがとうございました。
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