歩留まりとは?計算方法などの基礎知識を分かりやすく解説

2024年01月20日 / 最終更新日 : 2023年12月05日

歩留まりは生産量の割合を意味します。歩留まりを改善すると生産性の向上につながるため、企業価値の向上に役立ちます。業務を管理する責任者なら理解が必須の用語です。

 

しかし、基本的な知識でさえ理解できていない人もいるのではないでしょうか。本記事では、歩留まりの基礎知識として計算方法や関連する用語について解説していますので、ぜひ参考にしてください。


歩留まりとは

歩留まりとは、原材料の数に対する完成品の割合を示す言葉です。たとえば、原材料の数が同じでも完成品が少なくなれば、歩留まり低下となります。

 

元々は、主に製造業でつかわれていた言葉でした。しかし現在では、面接者に対する採用者の割合や、営業数に対する成約率の割合など、さまざまな業界でつかわれています。

 

歩留まりが算出できると、業績アップが期待できます。歩留まりの改善により、同数の原材料でも完成品が多くなるからです。くわえて、関連する用語についても理解を深めれば、業務効率や生産性の向上にもつながるため、さらなる飛躍が期待できます。


歩留まり率の計算方法

歩留まりをパーセンテージで表した数値を、歩留まり率と呼びます。歩留まり率の計算方法は次のとおりです。

 

歩留まり率(%)=(完成品の数÷原材料の数)×100

 

少し具体的に考えてみましょう。100個の原材料から90個の完成品ができた場合、次のとおりに算出できます。

 

歩留まり率(%)=90(個)÷100(個)×100=90(%)

 

簡単な事例だったので、すぐに計算できたのではないでしょうか。実際の現場では、より詳細な数値となるため混乱してしまうかもしれません。

 

しかし、計算式に当てはめれば歩留まり率は算出できるので、完成品の数と原材料の数を正確に把握しておきましょう。


歩留まりに関連する用語

歩留まりに関連する用語は数多く存在します。なかでも「良品率」と「直行率」は比較されることも多い用語です。歩留まり率との関連性や違いについてしっかりと理解しておきましょう。

良品率

良品率は完成品の数に対する良品の割合を示す数値です。良品は製品として販売できる品質の完成品を表しています。つまり良品率とは、完成品のうち販売できる製品の割合です。実際の割合は次の計算式で算出できます。

 

良品率(%)=良品数÷生産数×100

 

たとえば、90個の完成品のうち45個が良品であれば、良品率は50%となります。

 

良品率(%)=45(個)÷90(個)×100=50(%)

 

実際の現場では、歩留まり率よりも良品率を算出することの方が多いかもしれません。また、現場によっては良品率を歩留まりと呼ぶこともあるため、使い分けには注意が必要です。

直行率

直行率とは、完成品のうち手直しなく良品となった割合です。

 

すべての良品は、必ず1度で高品質となるわけではありません。傷の修正や工程の差戻しなど、手直しが必要な場合もあります。

 

手直しには時間や労力などのコストがかかるため、良品率だけでは製造コストを正しく把握できません。どのコストをどれだけ改善する必要があるか、正確に判断するために直行率も重要となるのです。直行率は次の計算式で算出できます。

 

計算式:直行率(%)=(完成品-手直し品)÷完成品×100


まとめ

歩留まりは、原材料に対する完成品の割合です。算出することで業務課題の分析に役立ち、業務を改善できるため業績アップが期待できます。歩留まりの算出方法は「(完成品の数-原材料の数)×100」と覚えておきましょう。

 

また、歩留まりに関連する用語が「良品率」と「直行率」です。併せて理解しておくと、さらなる業績アップにもつながります。本記事を参考に自社の歩留まりを把握し、企業価値の向上にお役立てください。


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