ISO14001とは~特徴や取得の流れを解説

2023年05月19日 / 最終更新日 : 2023年04月06日

 環境マネジメントシステムの国際規格であるISO14001は、1996年に発行されたものであり、現在では世界中で広く利用されています。企業や組織が環境に対して責任を持ち、持続可能な社会を築くために必要な要件を示しています。ISO14001は、企業が環境に配慮した取り組みを行うための枠組みを提供することで、環境保護と事業の継続可能性の両立を図ることを目的としています。今回はISO14001について解説します。




 

ISO14001の特徴

 ISO14001は、1996年に国際標準化機構(ISO)によって制定された環境マネジメントシステムの国際規格です。ISO14001の制定に至った背景には、国際的な環境問題が深刻化する中で、企業や組織が環境問題に責任を持ち、取り組むことが求められるようになったことが挙げられます。ISO14001は、このような社会的要請に応え、企業や組織が環境に配慮した事業活動を行うための基準を提供することを目的として制定されました。

ISO14001を取得することで、企業は自己の環境配慮的な取り組みを客観的に証明し、環境問題に対する社会的な責任を果たすことができます。

ISO14001の特徴を以下に紹介します。

 

1.継続的な改善

ISO14001は、継続的な改善を促進するための枠組みを提供します。企業は、環境マネジメントシステムを定期的に見直し、改善の余地があれば実施していくことが求められます。このようなアプローチにより、企業は環境問題への取り組みを進めながら、経営の効率性も高めていくことができます。

 

2.法的要件への対応

ISO14001は、法的要件に適合することを求めています。企業は、環境に関する法的要件を遵守することで、環境問題に対するリスクを最小限に抑え、信頼性の高い企業イメージを築くことができます。

 

3.経営の効率性の向上

ISO14001は、経営の効率性を高めることを目的のひとつとしています。環境マネジメントシステムを構築することで、企業はリソースの無駄遣いを防ぎ、コスト削減にもつなげることができます。また、環境問題に対する取り組みは、顧客からの信頼を得るためにも必要不可欠です。顧客は、環境に配慮した企業を選好し、長期的な取引関係を構築していくことが多いためです。

 

4.環境保護への貢献

ISO14001は、環境保護への貢献を目的のひとつとしています。企業は、環境マネジメントシステムを通じて、環境に配慮した経営を実現することが求められます。 




 

ISO14001認証のメリット

ISO14001認証についての特徴をご説明しました。ここからは、ISO14001認証を取得することで得られるメリットについて詳しく見ていきましょう。

 

1.社会的信頼性が高まる

ISO14001認証は国際的に認知された認証制度であり、企業が環境に対して取り組んでいることを証明するものです。このため、ISO14001認証を取得することで、企業の社会的信頼性が高まります。また、ISO14001認証はCSR(Corporate Social Responsibility)の一環としても評価され、企業が社会的責任を果たしていることをアピールすることができます。

 

2.経営効率が向上する

ISO14001認証を取得することで、環境に関する法令や規制に対する遵守を徹底することが求められます。このため、環境への取り組みを整理・管理することが必要となり、業務の見直しや改善が進みます。これにより、経営効率が向上することが期待されます。

 

3.環境負荷の低減が進む

ISO14001認証を取得することで、環境への取り組みが強化されます。具体的には、環境負荷を把握し、削減することが求められます。このため、企業は省エネや資源の効率的な利用など、環境負荷を低減する取り組みを進めることができます。環境への負荷が低減されることで、企業は社会的責任を果たし、社会からの信頼を高めることができます。

 

4.新規顧客の獲得が見込める

環境問題に対する意識が高まっている現在、ISO14001認証を取得している企業に対する需要が増えています。これは、環境に配慮した製品やサービスを提供する企業が、環境問題に対して消費者が求める価値観に合致していると評価されるためです。また、ISO14001認証を取得している企業は、環境に対する取り組みが進んでいることがアピールできるため、新規顧客の獲得に有利になります。




 

ISO14001認証取得の流れ

ISO14001認証の取得に際しては、以下のような流れがあります。

 

1.準備期間の設定

最初に、ISO14001認証取得に向けての準備期間を設定します。準備期間は企業の規模や状況によって異なりますが、数ヶ月から1年以上の期間を見込むことが多いです。

 

2.ISO14001の導入計画の策定

ISO14001の導入計画を策定します。この計画では、取得するISO14001規格の範囲、目標の設定、計画実行のための人員・予算・スケジュールなどが明確化されます。

 

3.詳細な実施計画の策定

導入計画の実施にあたって、詳細な実施計画を策定します。具体的には、手順書の作成や業務フローの整備、設備の改善・整備、関連文書の作成などを進めます。

 

4.社内教育とトレーニング

ISO14001の導入に向けて、社内教育とトレーニングを実施します。教育の対象となる社員は、ISO14001規格の理解・認識を深め、環境マネジメントシステムの構築に必要な知識や技能を身につけます。

 

5.環境マネジメントシステムの導入・運用

ISO14001に基づく環境マネジメントシステムを導入し、運用を開始します。マニュアルの作成や記録の管理、内部監査の実施などを行い、環境マネジメントシステムの運用が確立されるまで改善を重ねます。

 

6.内部監査

環境マネジメントシステムの内部監査を実施します。内部監査の目的は、システムの運用状況を確認し、問題点や改善点を把握することです。

 

7.管理者による監査

環境マネジメントシステムの運用状況を管理者による監査で確認します。管理者による監査は、内部監査とは異なる視点で環境マネジメントシステムを評価することができます




 

まとめ

ISO14001は、環境マネジメントシステムの国際規格であり、企業が環境に配慮しながら経営活動を行うための仕組みを定めたものです。ISO14001認証を取得することで、企業は社会的責任を果たし、環境に配慮した経営を行うことができます。企業が環境に配慮し、社会的責任を果たすことができるよう、ISO14001認証の取得や維持・改善に取り組んでいくことが重要です。

 

最後まで読んで頂きありがとうございました。
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