固定費とは?変動費との違いや、削減方法について解説

2021年06月20日 / 最終更新日 : 2021年06月13日

企業を存続させていく上で、費用がどのように使われているかを知ることはとても重要です。業績を管理する上での費用分類の仕方として、「固定費」と「変動費」に分ける方法があります。本記事では、この2つの費用の違いについて明確にしつつ、一般的に削減が難しいとされる固定費の削減方法についても、解説していきます。


固定費とは

固定費は、業績に関わらず発生する費用のことで、事務所の家賃や、役員報酬、従業員の給与、水道光熱費、減価償却費などが含まれます。これらの費用は、売上が増えても減っても一定額が継続的にかかることから、支払いが固定的な費用ということで、固定費と呼ばれます。


変動費との違い

これに対して変動費は、業績に左右される費用のことで、売上原価や、支払手数料、消耗品費などが含まれます。基本的に売上と比例するような動きになるので、売上が上がれば上がるほど変動費は増えていき、売上が減れば減るほど変動費は減少する傾向にあります。

固定費を削減する意義

上述のように、固定費は、変動費とは異なり、費用支出の金額が業績に影響されにくい性質があります。そのため、売上が同じだった場合、固定費の削減を行うことは、利益の確保に大きな影響をもたらします。

固定費は、一度削減すれば、その後ずっと削減できる可能性が高い費用でもあります。例えば、事務所の家賃を考えてみましょう。1ヶ月の家賃が30万円の事務所から、1ヶ月20万円の事務所に引越したとすると、月の費用差は10万円に過ぎませんが、年間にすると120万円もの経費削減効果があります。


変動費の削減は管理・予測が難しい

変動費は、毎月経費支出の金額が変動することから、固定費よりもすぐに削減できそうなイメージがあるかもしれませんが、実は結構、削減が難しい費用です。

固定費は、一度削減すればその効果が何ヶ月も続きますが、変動費は、毎月毎月、原価率などの指標をチェックして削減効果のチェックをしたりしなければならず、実際に削減できているかどうかを毎月確認しなければなりません。もちろん、上手くいくときばかりでなく、材料費の高騰や急な出費など、イレギュラーも起こりやすいのが変動費です。そのため、変動費の推移を管理したり、今後の変動費を予測したりするのは難しく、削減の計画も比較的立てにくいのですね。

削減できそうな固定費の候補

最後に、実際に削減できそうな固定費の候補を列挙していきます。ご自分の会社に当てはまる費用支出が無いかどうか、チェックしてみて下さい。

固定費削減候補①:事務所家賃

最も削減効果が高いのが、先程の事例でも挙げた「事務所家賃」です。一般的に固定費の中でも大きなウェイトを占めることが多いため、家賃の値下げを図ることができれば、それだけで固定費削減効果は大きくなります。

固定費削減候補②:役員報酬、従業員給与

ここにメスを入れるのは辛いものがあるかもしれませんが、人件費が利益を圧迫してしまっている状況であると、企業の存続が危ぶまれます。同業種の人件費率などを参考に、客観的な目で、適正な人件費を求めてみることで、自社を冷静に分析できるかもしれません。

固定費削減候補③:賃借料、リース代等毎月発生費用

細々とした支払の中にも、毎月発生しているが利用頻度の低いものはありませんか?例えば、機材のレンタルや、リースなどがこれにあたります。利用頻度の低いものを借りっぱなしにしておくのは、固定費の無駄遣いといえます。一度毎月支払の費用を棚卸して改めて、必要なものだけに絞る作業をすることで、固定費削減を図ることができるでしょう。


まとめ

今回は、固定費について、変動費との違いや、固定費削減の効果、着眼点について解説してきました。固定費の削減は、早ければ早いほど、長期的にみた利益の金額を大きく左右します。固定費の見直しを行って、効率的な会社運営をしていきましょう。

最後まで読んで頂きありがとうございました。
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