経営コラム

Management column

PERやPSRとは

2023年05月16日 / 最終更新日 : 2023年04月06日

PERやPSRとは、企業の株式価値を評価するために使用される指標の一つです。これらの指標を把握することで、投資家は企業の価値を正確に把握することができます。本記事では、PERやPSRの意味や使い方、メリットやデメリットについて解説します。




 

PERとは

PERとは、Price Earnings Ratioの略称で、日本語で株価収益率とも呼ばれます。PERは、株価を企業の一株あたりの利益で割った指標です。株価が1株あたりの利益に対してどれだけ高いかを示すことができます。具体的には、株価÷一株あたりの利益(EPS)で算出されます。

 

PERは、同業他社と比較することで、企業の評価を把握することができます。同業他社のPERが高い場合、株価が高騰していることを示し、同業他社のPERが低い場合、株価が安いことを示します。また、PERが低い企業は、将来的に業績が上向く可能性があるため、割安であると判断されることがあります。




 

PSRとは

PSRとは、Price-to-Sales Ratioの略称で、日本語で株価売上高倍率とも呼ばれます。PSRは、企業の株式価値を評価するために使用される指標で、売上高に対する企業の時価総額を示します。具体的には、時価総額÷売上高で算出されます。

 

PSRは、企業の株式価値を評価するために使用されます。売上高は企業の業績を表しており、その業績に対してどれだけの価値があるかを示すことができます。同業他社と比較することで、企業の評価を把握することができます。

 

同業他社のPSRが高い場合、株価が高騰していることを示し、同業他社のPSRが低い場合、株価が安いことを示します。また、PSRが低い企業は、将来的に業績が上向く可能性があるため、割安であると判断されることがあります。




 

PERやPSRの限界

PERやPSRはあくまでも企業の財務情報を分析するための指標であり、必ずしも投資判断をするための唯一の指標ではありません。他にも、キャッシュフローや配当利回り、成長率など様々な指標を総合的に分析することが大切です。

 

さらに、PERやPSRには限界もあります。例えば、業種によって同じPERやPSRでも異なる評価がされることがあります。また、企業の成長性や将来性を反映しないことがあるため、単純にPERやPSRだけを見て投資判断をすることは危険です。

 

さらに、PERやPSRの値は時期や状況によって大きく変動することがあります。例えば、業績不振のためにPERやPSRが低下する場合があります。しかし、その後企業が業績を改善しPERやPSRが上昇することもあります。また、市場全体の状況によってもPERやPSRは影響を受けるため、投資するタイミングや判断を誤ることがあるかもしれません。




 

PERとPSRの違い

PERとPSRは共に企業の評価指標ですが、その評価方法は異なります。PERは、単位あたりの利益を元に企業の評価を行う指標であり、利益を割安に見積もることができるため、割安株の発掘に使われることが多いです。一方、PSRは、単位あたりの売上高を元に企業の評価を行う指標であり、業績拡大の可能性が高い企業を評価する際に使われることが多い傾向があります。

 

例えば、新興企業であるA社があるとします。このA社はまだ黒字化に至っていない状況です。しかし、その将来性に期待が高いという点が評価ポイントとなります。このような場合には、PSRが有効です。A社が同業他社と比較してPSRが低い場合、その業績拡大の可能性が高いと判断されます。一方で、黒字化しているB社があるとすると、そのPERが同業他社と比較して低い場合、株価が割安であると判断されます。

 

このように、PERとPSRはどちらも企業の評価指標として有効ですが、その評価対象が異なるため、用途に合わせて使い分けることが重要になってきます。




 

まとめ

以上のように、PERやPSRは企業の財務情報を簡単に分析するための指標として非常に有用であり、スタートアップのバリュエーションにも使用されます。しかし、必ずしも投資判断をするための唯一の指標ではなく、慎重な分析が必要であることを忘れずに投資を行いましょう。

 

最後まで読んで頂きありがとうございました。
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