経営コラム

Management column

PEST分析の目的と活用方法

2021年11月10日 / 最終更新日 : 2021年10月19日

マーケティングにおいて、自社の事業活動に影響を与える外的要因を視野に入れた事業戦略を立てることは大切です。外部環境は少なからず内部環境にも影響を及ぼすため、今回ご紹介させていただくPEST分析を活用して効果的な戦略策定を行っていきましょう。


PEST分析とは?

PEST分析とは、以下の4つの視点から外的環境について分析するマーケティング手法のことで、フィリップ・コトラー氏により考案されました。それぞれの頭文字を取って、PEST分析と名付けられています。

P:Politics(政治的要因):税制やその他の法改正、政権交代など

E:Economy(経済的要因):インフレ、デフレ、為替や株価の変動、景気動向など

S:Society(社会的要因):少子高齢化、世論、人口増減、流行など

T:Technology(技術的要因):ITなどの技術革新

上記の4つの観点から、外部環境の中に存在している自社に好影響あるいは悪影響を与える要因を洗い出し、それぞれの影響度を評価するものです。PEST分析を用いることで、多角的な視点で世間の状況分析ができるので事業戦略を策定する段階において役立ちます。


PEST分析の目的

PEST分析の主な目的は、外部環境を分析し課題を導き出すことで、マーケティング戦略に活用することです。外部環境は大きく分けると『マクロ環境』と『ミクロ環境』に分類できます。

マクロ環境とは、自社で制御不能な世の中の動きのことを指します。他方で、ミクロ環境とは競合他社や市場のような準統制が可能なものを言います。PEST分析では2つのうちのマクロ環境の中から、自社の事業展開に影響を及ぼす大きな要因を導き出し分析していきます。



PEST分析の活用方法

ここでPEST分析を実際に行う手順についてご紹介します。

1.収集した情報を『PEST』に分類する

まずニュースや業界情報誌などから自社に関連のありそうな情報を収集し、P・E・S・Tの4項目に振り分けます。Pの政治的要因には、社会情勢の変化に伴うリモートワークの導入など働き方の変化などが例に挙げられます。Eの経済的要因は、実際に経済が自社に与えている影響について考えます。Sの社会的要因については、コンプライアンスな観点から情報を振り分けます。最後にTの技術的要因はDIX化やAIの導入による影響について考えてみると良いでしょう。

2.『事実』と『解釈』に分類する

4項目に振り分けた情報を、更に事実と解釈に基づいて振り分けます。事実とは実際に起こった事象のことで、解釈とは個人的見解を指します。

3.『機会』と『脅威』に分類する

事実と解釈に分類した情報を、次に機会と脅威に分けていきます。機会とは自社をより良いものに変革できるチャンスのことで、脅威は自社に好ましくない影響を与える恐れのある要因と考えます。例えば、優秀な人材を獲得できるきっかけとなる事象は機会、少子高齢化の影響による人材難は脅威と捉えます。

4.『短期的』あるいは『長期的』な視点で分類する

機会と脅威までの分類を終えたら、それらの要因が現在あるいは近いうちに、あるいは将来的に自社へ影響を及ぼすものなのかという観点で分類します。



まとめ

PEST分析を活用することで、外部環境を広い視野で分析することができます。情報を細かく分類し分析していくので、他社よりも早期に市場に潜むリスクや機会に気が付くことができ、市場への進出・撤退におけるタイミングを見誤ることなく効率的な判断を下すことが可能となるでしょう。

最後まで読んで頂きありがとうございました。
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