PMBOKとは?プロジェクト管理に欠かせない重要知識をご紹介

2023年09月10日 / 最終更新日 : 2023年09月01日

新たな目的に向けてプロジェクトを開始する企業は少なくありません。くわえて、プロジェクトの管理を任されて悩んでしまう人も多いでしょう。

 

そんなプロジェクト管理の悩み解消を手助けしてくれるのが「PMBOK」です。

 

今回の記事ではPMBOKについて要点などをご紹介します。実務におけるプロジェクトマネジメントの参考になれば幸いです。



PMBOKとは

PMBOK(Project Management Body of Knowledge)は、プロジェクトマネジメントに必要な知識をまとめた解説書です。

 

1981年にプロジェクトマネジメント協会であるPMI(Project Management Institute)により発表されました。4〜5年に1度のペースで改訂されており、現在では2021年に出版された第7版が最新版となります。

 

プロジェクトマネジメントの手法などを解説していた第6版までとは異なり、第7版では、基本的な概念や考え方について説明されています。

 

なかでも重要な考え方が、「12個の原理・原則」と「8個のプロジェクト・パフォーマンスドメイン」です。



12個の原理・原則

12個の原理・原則とは、プロジェクト進行の道しるべとなる指針です。第6版までと異なり、マネジメントの具体的な管理方法ではありません。

 

原理・原則としての考え方を説明することにより、幅広い柔軟な対応ができるように解説されています。具体的な12個の原理・原則は次のとおりです。

 

原理・原則 内容
スチュワードシップ 任されたプロジェクトに責任をもつ
チーム 協力的な環境を作る
ステークホルダー 関係者と効果的に連携する
バリュー 価値や成果を重視する
システム思考 影響のあるさまざまな要素を認識し、対応する
リーダーシップ リーダーとしての行動で、周囲に影響を与え、自ら学ぶ
テーラリング 状況に応じて柔軟な調整をおこなう
品質 過程と成果にも品質を求める
複雑性 知識と経験を基に複雑な状況にも対処する
リスク 最適なリスク管理をおこなう
順応性と柔軟性 適応力と回復力を備える
変革 理想を目指して変化や改革をおこなう

 




 

8個のプロジェクト・パフォーマンスドメイン

パフォーマンス・ドメインとは、プロジェクトに関わる要素を意味します。

 

各要素は互いに関連しているため、プロジェクトの効果的な進行には正しい理解が必要です。各要素の最良な働きにより、プロジェクトの成功確率は高まります。

 

8つの要素は以下のとおりです。

 

パフォーマンス・ドメイン 内容
ステークホルダー プロジェクトの関係者
チーム プロジェクトを進める人々
開発アプローチとライフサイクル 開発手法と各工程
計画 プロジェクト完了までに必要となる活動や機能
プロジェクトワーク プロジェクトを進行する作業
納品 価値や成果物の提供
測定 作業や活動に対する評価
不確実性 リスクなどの不確定要素

 




 

PMBOKの目的

第6版までのPMBOKでは、「QCD(品質・費用・納期)の適切な管理によるプロジェクトの達成」を目的としていました。高品質な成果物を適切な費用と期間を管理する考え方であり、成果物の提供を前提に考えられています。

 

一方、第7版の目的は「価値の提供」です。予定していた成果物を完成させるのではなく、さまざまな変化に対応した価値の高い成果物の提供が重視されています。



第6版までのPMBOK

現在では第7版のPMBOKが出版されていますが、第6版までの内容が無意味になるわけではありません。原則などの包括的な内容の第7版とは異なり、第6版では参考となるマネジメント方法が解説されているからです。

 

具体的には、10個の知識エリアと5個のプロセスに着目するとよいでしょう。第7版で考え方を学び、第6版で実践的な管理方法を参考にすると、プロジェクトの価値を最大化できるかもしれません。

 

 

10個の知識エリア

10個の知識エリアでは、プロジェクトマネジメントに必要な知識を10個に分別して解説しています。

 

知識エリア 内容
統合マネジメント 方針の決定など、プロジェクト全体を管理する活動
スコープマネジメント 成果物や作業範囲を定め管理する活動
スケジュールマネジメント 各作業やプロジェクト完了までの計画を管理する活動
コストマネジメント 費用や予算を管理する活動
品質マネジメント 成果物や作業の品質を管理する活動
資源マネジメント 人材や物資の調達、管理をおこなう活動
コミュニケーションマネジメント 関係者とのコミュニケーションやスムーズな連携を管理する活動
リスクマネジメント 不確定要素の分析や対応など、リスクを管理する活動
調達マネジメント プロジェクトに必要なサービスや外部企業などの選定や管理をおこなう活動
ステークホルダーマネジメント 関係者に必要な情報の収集や提供を管理する活動

 




 

5個のプロセス

5個のプロセスではプロジェクトの工程を段階的に解説しています。次の5段階です。

プロセス 内容
立ち上げ 予算や目的などの定義づけや関係者を特定する工程
計画 プロジェクト完了までの作業計画を設計する工程
実行 人材や物資を調達し、実際に作業する工程
監視・制御 進行状況と計画を比較し、調整をおこなう工程
終結 成果物のチェックや納品をおこなう工程



まとめ

PMBOKとは、プロジェクトマネジメントに必要な知識を集約した参考書です。

 

時代の変化とともに改訂されており、現在では価値提供を重視した第7版が出版されています。包括的な内容ですが、第6版までの知識と併せて活用できれば、プロジェクトの成功に大きく貢献できるでしょう。

 

プロジェクトを任された担当者やプロジェクト立ち上げを検討している人には欠かせない1冊です。ぜひ、実際に手に取って詳しい内容も確認してみてください。

 

 

最後まで読んで頂きありがとうございました。
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