プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント(PPM)とは?基本の経営理論をシンプルに解説

2022年06月15日 / 最終更新日 : 2022年04月28日

経営分析を効果的に進める手法として、最もポピュラーなものの一つがプロダクト・ポートフォリオ・マネジメント、通称PPMと呼ばれるものです。今回は、そんなPPMの運用に役立つ基本的な実践方法や、その導入メリットについて、ご紹介します。




 

PPMについて

PPMは、1970年代にアメリカのコンサルティングファームが提唱した、経営分析手法です。自社が展開している事業や商品を、どういった組み合わせで世に送り出していけば良いのかを分析し、マネジメントするための手法として知られています。

 

PPMにおいては以下の4つが大きな事業段階として知られており、自社事業がどれに当てはまるのかを理解するところから始める必要があります。

問題児

問題児とは、未だ市場シェアが低いものの、成長率が高く、今後の発展に期待ができる事業を指しています。まだリリースされて間もない製品は、ここに分類されます。

 

問題児への積極的な投資を続けることで、次のフェーズとして「花形」や「金のなる木」へと成長することが期待できます。ただ、投資の時期やアプローチを誤ったり、事業そのものの立ち位置を見誤ることで、「負け犬」へと移行してしまう可能性もあります。この点については後述します。

花形

花形とは、市場シェアと市場成長率が順調に推移している事業を指すフェーズです。すでに良い業績を挙げているのはもちろん、今後も更なる成長が期待できます。

 

事業が花形のフェーズに移行した際、検討すべきは安定した収益を生み出せるビジネスへの昇華です。この段階へうまくシフトできれば、安定した経営基盤の獲得、及び新しいビジネスへの挑戦を期待できます。

金のなる木

金のなる木とは、その言葉通り何もしなくとも収益を生み出してくれる事業です。「花形」ほどの成長率はありませんが、市場シェアがあり、大いに利益をもたらしてくれます。多くの会社は、この金のなる木を生み出すことをゴールとしています。

 

負け犬

負け犬は、市場シェアも成長率も低い事業を指すフェーズです。収益がピークを過ぎ、利益の拡大も見込めない段階に入ると、撤退に最適なタイミングを図る必要があります。別の事業への方向転換、事業売却先の模索に力を入れなければなりません。



PPM分析のフロー

PPM分析は、事業が上の4つのフェーズのどこに属するのかを見極めるために行います。まず必要なのが、市場成長率の計算です。前年と比べて市場規模がどれくらい育ったのかを割合で数値化しておきます。

 

続いて、市場シェアの算出です。自社のシェアがトップシェア企業と比べてどれくらいの割合であるのか、という相対的なシェア率を計算し、市場における存在感を明らかにします。

 

最後にバブルの大きさを定めます。売上高の現在地を踏まえ、どれくらいのフェーズにあるのかを他社と比較しながら検証します。



PPM分析のメリット

PPM分析を行うことで、客観的に自社のビジネスや、商品そのものを俯瞰することができます。ビジネスの将来性を見据え、成功率の高い意思決定をもたらすために有効です。

 

客観性の高い意思決定ができるようになれば、経営者の主観に頼ったリスクの高い判断を減らすことができるので、安定した経営基盤を確保することにつながります。事業判断におけるミスを回避し、サステナブルな組織へと生まれ変われるでしょう。



まとめ

PPMは経営管理における基本的な視座であるため、経営者として知っておきたい知識と言えます。あらゆる意思決定をPPM分析に託す必要はありませんが、有力な指標として、意識しておく価値はあるでしょう。

 

最後まで読んで頂きありがとうございました。
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