ランチェスター戦略とは何か?優位性を作る弱者の戦略について解説

2023年09月20日 / 最終更新日 : 2023年09月01日

ランチェスター戦略は経営に必要な戦略の1種です。知らなければ、自分自身で不利な状況を作ってしまうかもしれません。

本記事では、ランチェスター戦略の法則や、最適な市場戦略について解説していますので、ぜひ自社の経営にお役立てください。




 

ランチェスター戦略とは

ランチェスター戦略とは、市場競争を勝ち抜くためのビジネスにおける戦い方です。市場で優位に立つ強者は優位性を活用して地位を保ち、弱者は強者のいない狭い市場で優位性を獲得します。

提唱された目的は戦時中の軍事戦略です。兵士の多い組織は数の優位性を利用し、兵士の少ない組織は高性能な武器を利用していました。戦争で優位に立つための戦い方が、現代ではビジネスに応用されています。

ランチェスター戦略を理解するためには2つの法則が欠かせません。「第一法則」と「第二法則」です。以下でそれぞれの法則についてご紹介します。

第一法則

第一法則とは、能力が同じであれば数の多い側が勝ち、数が同じであれば能力の高い側が勝つという法則です。刀などで戦う1対1の状況をイメージすると理解しやすくなります。

5人の兵士がいるA軍と10人の兵士がいるB軍が戦った場合、数の多いB軍が5人の兵士を残して勝ちます。一方、10人対10人であってもA軍の武器が弓矢であれば、A軍が10人を残して勝利するという考え方です。

これらの考え方は次の計算式で表すことができ、現代のビジネスにも活用されています。

計算式:兵士の数×武器の能力=戦力

第二法則

第二法則は、広域の戦場で広範囲な武器を使用する状況を想像するとイメージしやすいでしょう。

戦場が広い場合、散弾銃やマシンガンなどの1人で複数人を相手にできる武器が有効です。状況が異なると、数の違いによって大きな差がでます。

たとえば、5人のA軍と10人のB軍が戦った場合、B軍を全員倒すためにA軍は1人でB軍2人を倒さなければいけません。

一方で、A軍を倒すためにB軍は2人でA軍1人を倒せばよいのです。つまり、範囲の広い状況においては、数の優位性がさらなる優位をもたらせるといえます。

第二法則の計算式は以下のとおりです。

計算式:兵士数の2乗×武器の能力=戦力




 

ランチェスター戦略の活用方法

第一法則の狭い範囲では数や能力が優位性に直結し、第二法則の広い範囲では数が優位性を高めると分かりました。

では、現代のビジネスでは各法則をどのように活用すればよいのでしょうか。それは、強者と弱者によって異なります。

ビジネスに置き換えると、能力は商品やサービスの品質、数は広告や営業活動の数量です。弱者は優位性を獲得するために第一法則で戦い、強者は優位性を継続するために第二法則で戦う方法が良いと考えられています。

弱者の戦略

弱者とは市場における2番手以下の企業を指します。弱者に最適な戦略は第一法則に基づいた、狭い範囲で優位性を獲得する方法です。専門性の高い市場やマニアックな市場で戦います。

たとえば飲食業を始める場合、いきなり全国展開しても生き残れません。まずは特定の地域で優位性を獲得してから徐々に範囲を拡大していきます。

また、範囲とは物理的な距離だけではありません。ジャンルやターゲットを限定する戦略もあります。和食ではなくおにぎり専門店としたり、20代男性に狙いを絞ったりと、さまざまな戦い方が可能です。

強者の戦略

強者は市場での最上位者を意味します。優位な状況を維持するため、第二法則に沿った戦略が有効です。

第二法則では数の優位性を利用して相手との格差を広げます。大企業などの優位者であれば、数の優位性を作りやすいため第二法則が適していると考えられます。




 

まとめ

ランチェスター戦略はビジネスを優位に進めるための重要な戦略です。自身の状況が強者なのか弱者なのかを見極めて、正しい戦略で戦わなければいけません。

 

今回の記事を参考に、自社に最適な戦略を検討してみてください。

 

最後まで読んで頂きありがとうございました。
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