リスキリングとは?企業に必要な理由や取り組む際の注意点について解説

2024年04月01日 / 最終更新日 : 2024年03月05日

リスキリングとは、今までに保有していなかった新しいスキルを獲得する取り組みです。個人がスキルアップできるだけでなく、企業にも多くのメリットがあります。

 

本記事では、リスキリングが必要な理由や注意点について解説しています。リスキリングの基礎知識を理解できますので、導入前の参考としてお役立てください。


リスキリングとは

リスキリングとは、企業が従業員に対して新しい知識や技術を習得させること、または、個人が自ら獲得することです。経済産業省の「デジタル時代の人材政策に関する検討会」では、リスキリングを以下のとおりに定義しています。

 

「新しい職業に就くために、あるいは、今の職業で必要とされるスキルの大幅な変化に適応するために、必要なスキルを獲得する/させること」

参考:経済産業省「第2回 デジタル時代の人材政策に関する検討会(資料2-2 石原委員プレゼンテーション資料)」

 

近年では、デジタル社会の促進により働き方や業務の進め方が多様です。既存の業務に捉われず新しい手法を取り入れなければ、市場の発展に取り残されてしまいます。

 

しかし、新しい取り組みを進めるためには、新しいスキルの獲得が欠かせません。そのため、企業と従業員のスキル獲得に必要なリスキリングが重要とされているのです。


リスキリングとリカレント教育の違い

リカレント教育は、仕事と学業を交互に繰り返してスキルを獲得する方法です。リスキリングと似た意味を持つため、勘違いして使わないように区別して理解する必要があります。

 

両者の大きな違いは、スキル獲得までの過程です。リカレント教育では、仕事と学業を交互に行うため、スキル獲得に必要な学習期間は仕事を離れます。

 

一方でリスキリングは、仕事をしながらスキル獲得を目指すため、従業員の負担が大きくなってしまいます。

 

企業の支援がなければスキルの獲得は困難となるため、企業と従業員の双方の努力が必要不可欠です。


リスキリングが必要な理由

リスキリングは企業価値の向上に役立ちます。リスキリングにより課題解決が実現できるからです。具体的には2つの課題解決が期待できます。

 

  • 人材不足の解消
  • デジタル社会への適応



人材不足の解消

リスキリングを行うと人材不足の解消が期待できます。スキルの獲得により、効率的に業務を進行できるからです。特に、業務のデジタル化(DX)に関連したスキルであれば、業務効率は飛躍的に向上するでしょう。

 

業務効率が高まれば、残業代や人件費の軽減など、コスト削減の効果も期待できます。


デジタル社会への適応

日本では2021年9月にデジタル庁が発足され、社会的なデジタル化が進められています。企業や国民も例外ではありません。マイナンバーカードの普及やDX化の推進など、現時点でもデジタル化は進んでいます。

 

IT関連のスキルは今まで以上に重要性を増し、必然的に新しいスキルの獲得が欠かせなくなるでしょう。


リスキリングの注意点

リスキリングは企業価値の向上に重要です。しかし、取り組む際には注意点も理解しておかなければなりません。理解していなければ、リスキリングの効果も減少してしまうからです。具体的な注意事項は以下の2つです。

 

  • 負担増加
  • 長期化

 

負担増加

リスキリングに取り組む際には従業員や経営者の負担が増加します。制度の構築や周知には、時間・費用・労力が必要になるからです。

 

新しいスキルの獲得は、教材を配るだけでは実現できません。どんなスキルを獲得させるのか、どのように習熟度を確認するのかなど、計画的な取り組みが必要です。

 

従業員についても、通常業務と並行してスキル獲得を目指すため、負担は大きくなるでしょう。業務に支障がでないためにも、自社に最適な取り組み方法を検討する必要があります。

長期化

スキルの獲得には時間がかかります。そのため、リスキリングも長期的な目線で取り組まなければいけません。しかし、長期化してしまうと制度の形骸化やモチベーションの低下が懸念されます。

 

新たな手当の新設や継続できる仕組みの構築など、持続的に取り組むための施策も必要です。


まとめ

リスキリングとは、企業や個人が新しいスキルを獲得するための取り組みです。人材不足の解消など、企業価値の向上が期待できるため、企業も積極的に取り組む必要があります。一方で、負担増加などの注意点には気を付けなければいけません。

 

通常業務とスキル獲得を両立できるように、適切な支援を検討してリスキリングに取り組みましょう。


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