経営コンサルタントの唯一の国家資格 中小企業診断士とは

2021年04月25日 / 最終更新日 : 2021年02月28日

中小企業診断士の山田盛史です。
中小企業経営者の皆様にとって一番馴染みのある士業といえば税理士だと思います。
日本の会社のうち、約87%が税理士と顧問契約をしている、といったデータもあるくらいで税理士と聞くと記帳代行や確定申告をしてくれる人、
一言でいうと税理士=税務の専門家というのは誰でも知っています。

その他の士業といえば、法人設立の際には司法書士や行政書士に依頼されるケースもあると思います。
司法書士や行政書士は登記や許認可などの手続きを行ってくれる専門家です。

そして、事業を行うにあたって雇用をすることになると社会保険労務士に相談するケースが出てきます。
社会保険労務士は労働や社会保険などの労務の専門家です。

さらに、特許を申請したい、商標権を取りたいと思ったときには弁理士に相談することになります。
弁理士は知的財産権(特許権、実用新案権、意匠権、商標権)の申請を行ってくれる専門家です。

このように考えると、士業は各分野の専門家であるので、この内容だと誰に相談すれば良いかが比較的容易に判断できます。

しかし、その中で中小企業診断士は他の士業とは異質で中小企業診断士=〇〇な人というイメージが湧いていない中小企業経営者様も多いのが実態です。

そこで今回は中小企業診断士って何者なの?、中小企業診断士にはどんな時に何の相談ができるの?など中小企業診断士について解説します。


中小企業診断士とは

そもそも中小企業診断士とは何なのか?そこから話を進めたいと思います。
中小企業診断士とは経営コンサルタントの国家資格であり中小企業の経営課題に対応するための診断・助言を行う専門家です。

中小企業診断士試験に合格して登録要件を満たすと「中小企業支援法」第11条に基づき経済産業大臣が登録します。

中小企業診断士の資格制度は、「中小企業者が適切な経営の診断及び経営に関する助言を受けるに当たり、経営の診断及び経営に関する助言を行う者の選定を容易にするため、経済産業大臣が一定のレベル以上の能力を持った者を登録するための制度」です。

中小企業診断士は公的機関などの支援に限らず、民間で活躍する経営コンサルタントと位置づけられています。

中小企業診断士は国家資格者という性質から、中小企業と行政・金融機関等を繋ぐパイプ役、また専門的知識を活用しての中小企業施策の適切な活用支援等の幅広い活動も行います。

経営コンサルタントは資格がなくてもできると言われる

中小企業診断士は経営コンサルタントの国家資格者ですが、経営コンサルティングは資格がなくても誰でもできます。
極端な話、「私は経営コンサルタントです。」と名乗れば誰でも経営コンサルタントになれるのです。

実際にコンサルタントの業界には「自称コンサルタント」が星の数ほどいます。
しかしながら、誰でもなれるという事は提供するサービスの質がバラバラで、サービス品質が低いコンサルタントや悪質なコンサルタントも多数存在しているのが実態です。

コンサルティングサービスの内容や質は提供するコンサルタントの知識や経験に依存しますので、コンサルティングサービスを依頼する場合には、どのような業者なのか、どのようなバックグラウンドをもったコンサルタントなのかを良く知った上で依頼されるのが良いと思います。

中小企業診断士は一般的には国家資格の中でも難関国家資格に位置づけられており、資格取得にあたって経営、組織、マーケティング、財務、経済、法律、IT、中小企業政策と幅広い知識を身につけています。
資格取得にかかる時間は、1,000時間~2,000時間とも言われます。
私の場合は2,000時間以上、勉強しました。

ただ、これは中小企業診断士資格を取るためにかかる時間であり、資格を取ってからも常に知識や経験をアップデートしていく必要があります。

これを読むと「経営コンサルタントになるのってとても大変なんだな..」と思われるかもしれませんが、中小企業経営者様に対して経営コンサルティングを行うということは、それくらい研鑽を積まなければいけないという事の裏返しなのです。

中小企業診断士だからといって、一概にすべての中小企業診断士が高いコンサルティングスキルを身につけているとは言いませんが、少なくても企業経営に関する幅広い知識を持っている人であることは間違いありません。


中小企業診断士にはどんな時に何の相談ができるのか

結論から言うと、企業経営に関することであれば、いつどんな相談をしても良いです。

例えば、現在サラリーマンでこれから起業したいという方は事業計画について悩むと思います。
また、個人事業から始めるか、合同会社を作るか、株式会社を作るか。
そもそも、合同会社と株式会社とは何が違うのか。

事業立ち上げにかかる資金は融資を受けるのが良いか、融資を受けるにしてもどんな融資制度があり、どこの金融機関に相談するのが良いか、活用できる補助金がないか等々、検討すべき事は山のように出てくると思います。

また、事業を開始した後もマーケティングに関する悩みが出てくると思います。
そして、事業が大きくなり人を雇用して拡大していく段階に入ると、次は組織や人に関する悩みが出てくることでしょうか。
事業が大きくなれば、その分、運転資金や設備資金も必要になるのでファイアンス、資金繰りも重要になってきます。
そして経営管理、収支管理も事業が大きくなる程、その重要性や難易度がますますあがっていきます。

いずれの課題も中小企業診断士は相談に乗れますので、結論としてはいつどんな相談をしても問題はありません。


中小企業診断士は専門分野がある

企業経営に関することであれば、いつどんな相談をしても良いのですが、意識したい点は中小企業診断士それぞれが専門分野を持っているという事です。

そして、専門分野といっても業界に特化しているケースや特定分野に特化しているケースなど様々です。

業界に特化しているケースは飲食業専門の中小企業診断士や製造業専門の中小企業診断士がいます。

特定分野に特化しているケースでは、ITが専門の中小企業診断士やマーケティングが専門の中小企業診断士、創業支援が専門の中小企業診断士、事業再生が専門の中小企業診断士、事業承継が専門の中小企業診断士などがいます。

経営コンサルティングは高い専門性が求められるので、特定の領域に絞ることで高い専門性を発揮しやすくなるからです。

ただ、中小企業診断士は前述の通り企業経営に関する幅広い知識を有しているため、特定領域における高い専門性を持ちつつも、企業経営に関する一般的な疑問や相談にも対応できるのです。
医者で例えるなら、総合医としての側面と専門医としての側面を持っています。

また、中小企業診断士は中小企業診断士同士や他の士業、公的機関や金融機関とのネットワークを持っている人が多いのが特徴です。

そのため、中小企業経営者様の相談内容が、深く専門的な内容になってくると、自身の専門分野外のテーマは、その分野に高い専門性を持った中小企業診断士や他の士業の方を紹介してくれると思います。

ですので、結論としては企業経営に関する悩みがあれば、いつどんな相談をして頂いても問題ないという事になります。
経営者は孤独と言われ、一人で悩まれる方も多いと思いますが、外部の専門家に一度相談してみることも検討したいものです。

最後まで読んで頂きありがとうございました。
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